perl5181delta - perl v5.18.1 での変更点
この文書は 5.18.0 リリースと 5.18.1 リリースの変更点を記述しています。
5.16.0 のような以前のリリースから更新する場合は、まず 5.16.0 と 5.18.0 の違いについて記述している perl5180delta を読んでください。
故意に、5.18.0 から互換性がなくなるようにした変更はありません。 もし 5.18.0 との互換性がなければ、それはバグですので、報告をお願いします。 以下の "Reporting Bugs" を参照してください。
B はバージョン 1.42 から 1.42_01 に更新されました; レキシカルサブルーチンに 関するバグが修正されました。
Digest::SHA はバージョン 5.84 から 5.84_01 に更新されました; クラッシュバグが 修正されました。 [RT #118649]
Module::CoreList は 2.89 から 2.96 に更新されました。
AIX ヒントファイルの、めったに出会わない設定バグが修正されました。
関連するヒントファイルへのパッチの後、perl は MidnightBSD 0.4-RELEASE で 正しくビルドできるようになったはずです。
v5.18.0 から、/[#](?{})/x
のような構文で、#
を間違ってコメントと 解釈していました。 コードブロックは読み飛ばされ、パースされていませんでした。 これは修正されました。
新しく実験的な正規表現大かっこ文字クラス機能に関する、多くのメモリリークが 修正されました。
OP 割り当てコードは、struct pmop
に関する全ての場合において正しく 位置合わせされたメモリを返すようになりました。 以前は 4 バイト境界にのみ位置合わせしたメモリを返すことがあり、これは 一部の 32 ビットプラットフォームの 64 ビット IV でのiスレッドビルドで 正しくありませんでした。 特に、これにより sparc GNU/Linux では完全にビルドに失敗していました。 [RT #118055]
デバッガの man
コマンドが修正されました。 これは v5.18.0 リリースでは壊れていました。 man
コマンドは doc
と perldoc
への別名です - 全て再び 動作するようになりました。
@_
は正しくデバッガから見えるようになりました; v5.18.0 のデバッガで 導入された退行が修正されました。 [RT #118169]
32 ビットシステムで、マッチングされた文字列が 2GB の線を越えた所に 割り当てられているとき、マッチングに失敗したり perl がクラッシュしたりする 一部の正規表現構文が修正されました。 [RT #118175]
Perl v5.16 は誤って、コンパイル時には見えない XSUB への呼び出しは 左辺値として扱われ、例え左辺値サブルーチンでないサブルーチンの場合でも 代入できるというバグを導入していました。 これは修正されました。 [perl #117947]
Perl v5.18 は誤って、変数の真偽が文字列値ではなく数値で決定される 二重変数 (つまり、$!
のような、文字列値と数値の両方を持つ変数) の バグを導入していました。 [RT #118159]
Perl v5.18 は誤って、正規表現内に昇格された UTF-8 文字列と降格された文字列を 混ぜて展開すると、パターン中に不正な UTF-8 を作るというバグを 導入していました: 特に、\x80..\xff
の範囲の降格された文字に UTF-8 文字列が 引き続く場合です; 例えば
utf8::upgrade( my $u = "\x{e5}");
utf8::downgrade(my $d = "\x{e5}");
/$u$d/
[perl #118297]。
レキシカル定数 (my sub a() { 42 }
) はインライン化されても クラッシュしなくなりました。
レキシカルサブルーチンに付加された引数プロトタイプは、かっこなしの サブルーチン呼び出しがコンパイルされるときに使われるようになりました。 以前は、プロトタイプはかっこ あり の呼び出しの時にのみ使われていました。 [RT #116735]
レキシカルサブルーチンと、同じ名前のサブルーチンとの組み合わせによる 文法エラーは、もはやコンパイル時のクラッシュを引き起こさなくなりました。
dtrace サブルーチンエントリプローブは、レキシカルサブルーチンに対しても クラッシュせずに動作するようになりました [perl #118305]。
インライン化可能なレキシカルサブルーチンを未定義化すると (my sub foo() { 42 } undef &foo
)、警告が有効の時にクラッシュしていました。
多重再帰警告はもはやレキシカルサブルーチンを壊さなくなりました。 [RT #118521]
Perl 5.18.1 は、Perl 5.18.0 以降、12 人の作者によって、 60 のファイルに約 8,400 行の変更を加えて、 約 2 months開発されてきました。
Perl は、活気のあるユーザーと開発者のコミュニティのおかげで 20 年を超えて 繁栄しています。 以下の人々が、Perl 5.18.1 になるための改良に貢献したことが分かっています:
Chris 'BinGOs' Williams, Craig A. Berry, Dagfinn Ilmari Mannsåker, David Mitchell, Father Chrysostomos, Karl Williamson, Lukas Mai, Nicholas Clark, Peter Martini, Ricardo Signes, Shlomi Fish, Tony Cook.
これはバージョンコントロール履歴から自動的に生成しているので、ほぼ確実に 不完全です。 特に、Perl バグトラッカーに問題を報告をしてくれた (とてもありがたい)貢献者の 名前を含んでいません。
このバージョンに含まれている変更の多くは、Perl コアに含まれている CPAN モジュール由来のものです。 私たちは Perl の発展を助けている CPAN コミュニティ全体に感謝します。
全ての Perl の歴史的な貢献者のより完全な一覧については、どうか Perl ソース 配布に含まれている AUTHORS を参照してください。
もしバグと思われるものを見つけたら、comp.lang.perl.misc ニュースグループに 最近投稿された記事や http://rt.perl.org/perlbug/ にある perl バグ データベースを確認してください。 Perl ホームページ、http://www.perl.org/ にも情報があります。
もしまだ報告されていないバグだと確信したら、そのリリースに含まれている perlbug プログラムを実行してください。 バグの再現スクリプトを十分小さく、しかし有効なコードに切りつめることを 意識してください。 バグレポートは perl -V
の出力と一緒に perlbug@perl.org に送られ Perl porting チームによって解析されます。
もし報告しようとしているバグがセキュリティに関するもので、公開されている メーリングリストに送るのが不適切なものなら、 perl5-security-report@perl.org に送ってください。 このアドレスは、問題の影響を評価し、解決法を見つけ、Perl が対応している 全てのプラットフォームで問題を軽減または解決するパッチをリリースするのを 助けることが出来る、全てのコアコミッタが参加している非公開の メーリングリストになっています。 このアドレスは、独自に CPAN で配布されているモジュールではなく、 Perl コアのセキュリティ問題だけに使ってください。
変更点の完全な詳細を見る方法については Changes ファイル。
Perl のビルド方法については INSTALL ファイル。
一般的なことについては README ファイル。
著作権情報については Artistic 及び Copying ファイル。