Roguelikeの定義このエントリーをはてなブックマークに追加

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「roguelikeとは何か」という話は定期的に出てくる定番ネタで、人によってそれぞれ答えは違うものですが、最近見掛けた定義をいくつかまとめてみます。

(これはRoguelike Advent Calendar 2018 1日目の記事です。)

ベルリン解釈

おそらくroguelikeの定義として(賛否はともかく)一番有名なのはベルリン解釈( Berlin Interpretation) でしょう。 International Roguelike Development Conference 2008で議論されてまとめられたもので、「複数の人が議論してまとめられた定義」としては私の知る限り現状唯一のものだと思います。

これはまずADOM, Angband, Crawl, Nethack, Rogueの五つのゲームを「正典」とし、それを基準として、あるゲームが「どれくらいroguelikeっぽいか」を判断するために使うことを想定しています。ここに挙げられている要素がないからroguelikeではないとか、挙げられている要素をいくつか含むからroguelikeであるというものではありません。

大要素

  • ランダム環境生成
  • 恒久的な死
  • ターンベース
  • グリッドベース
    • どんな大きなモンスターも1マスで表現される
  • モード切替なし
    • 移動画面、戦闘画面、ショップ画面のように別れていない
  • 複雑性
    • 問題があるときにその解決法が複数ある
  • リソース管理
    • 数を制限されたアイテムをやりくりする必要がある
  • ハック&スラッシュ
  • 探索と発見
    • マップやアイテムは毎回未探索/未識別状態で開始される

小要素

  • シングルキャラクター
  • モンスターはプレイヤーと同様
    • アイテムや罠は基本的にプレイヤーにもモンスターにも同様の効果をもたらす
  • 戦術的挑戦
  • ASCII表示
  • ダンジョン
  • 数値
    • ステータスは数値で明示される

"roguelikeness" factors

ベルリン解釈は有名ですが、これにはたたき台となった “roguelikeness” factors という記事がありました。たたき台だけあってベルリン解釈とほぼ同じですが挙げておきます。

大要素

  • ランダム環境生成
  • 恒久的な(死を含む)失敗
  • ターンベースの相互作用
  • 単一コマンドセット
  • 自由形式
    • クリアのための道筋が一本道ではない
  • 発見機構

中要素

  • シングルプレイヤー
  • 大量コンテンツ
  • 複雑なオブジェクトと世界の相互作用
    • アイテムに対して通常想定されていない使用法も可能

小要素

  • 高難度
    • クリアには繰り返しプレイが必要
  • モンスターはプレイヤー
  • 文字ベース表示
  • ハック&スラッシュ

roguelikelike / roguelite

ベルリン解釈の以前からroguelike風ではあるけれども正典とはかなり異なるゲームがいくつもありました。それらに対してroguelikeではない用語を使う例も出てきました。

調べた限りでは"roguelikelike"は2008年にDrawfFortressに対して使われたものが最初、 "roguelite"は2009年にポケモン 不思議のダンジョン 空の探検隊に対して使われたものが最初のようです。これらは(も)明確な定義がある訳ではありません。

PDL

その後も、現在では"FTL-like"という用語も出来た"FTL: Faster Than Light"が2012年にリリースされるなど同様のゲームは増えて行きます。

そこで2013年にOn Procedural Death Labyrinthsで"PDL"という用語が提案されました。

  • 自動生成(Procedural)
  • 死(Death)
    • 死は恒久的か、大きなペナルティを受ける
  • 迷宮(Labyrinth)
    • 通常は(常にではない)自動生成の、ある種の半制限的な環境で行われる

これは"roguelike"の用語を昔のままにして、新しい分野に新しい用語を定義する方向性と言えます。

Classic Roguelike

一方2014年に、ベルリン解釈のたたき台を作ったSlash氏による A Classic Roguelikeという記事が投稿されました。これは「roguelikeっぽさ」を定義するベルリン解釈と異なり、以下の全ての要素を満たすものを"Classic Roguelike"として定義するというものです。

  • ターンベース
  • グリッドベース
  • 恒久的な失敗
  • 自動生成環境
  • ランダムな戦闘結果
  • 持ち物
    • 持ち運べるアイテムの量は制限されている
  • シングルプレイヤー

Traditional Roguelike

さらに2018年、Slash氏による What is a Traditional Roguelikeという記事が投稿されました。これは要素を四つに絞り、この全てを満たすものを"Traditional Roguelike"とするものです。

  • 恒久的な結果
    • (死を含む)あらゆる結果に対して「セーブポイントからやり直し」は出来ない
  • キャラクタ指向
    • プレイヤーが操作するのは単一の(何らかの)キャラクタであり、神の視点で複数の交換可能なユニットのようなものではない
  • 自動生成
  • ターンベース

まとめ

最近見掛けたroguelike関係の定義に関してまとめてみました。なぜその要素が必要かなどの詳細はリンク先の記事を読んでみてください。(個人的にはTraditional Roguelikeの定義がコンパクトによくまとまっているなあと思っています。)