NetHack "raiden" の謎に迫る (1)このエントリーをはてなブックマークに追加

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NetHackにはかつてraidenという神が存在しました。 現在はraijinとなっているこの神がどこから来たのかを 数回にわたって追いかけてみます。

(これはRoguelike Advent Calendar 2020 1日目の記事です。)

バージョン履歴

初回である今回はraidenがバージョン毎にどのように 扱われていたのかを確認していきます。

3.0.0(1989年)

3.0.0では様々な変更が行われましたが、その一つとして職業と属性毎に 神が設定され、ここで中立の侍はraidenという謎の神が設定されました。 この時点では名前以外の情報はありませんでした。

3.2.0(1996年)

中立の侍の神はraijinに変更されました。 さらにdata.baseに項目が追加されたのですが:

raiden
    The god of thunder.

項目名がraidenのままである上に、ほとんど情報はありませんでした。

3.3.0(1999年)

raijinもエントリに追加されました。

raijin
raiden
    The god of thunder.

この状態で3.4.3の長い空白期間に突入します。 NetHackとAD&Dとの関係について書かれた どぐち屋さんの記事も このタイミングで書かれたものです。 なお、なぜNetHackではraijinになっているかについては、 前述の通り実装時には(おそらくAD&D由来で)raidenでしたが、 「raidenは神の名前としておかしいようだ」と考えて変更したものと推測されます。

予告

こうして、「なんとなくAD&D由来なのかな」ということで決着したかに思われたraidenなのですが、 この後意外な展開がありました。それは次回の講釈で。