perlrebackslash - Perl 正規表現逆スラッシュシーケンスとエスケープ
Perl 正規表現に関する最上位文書は perlre です。
この文書は全ての逆スラッシュシーケンスとエスケープシーケンスについて 記述します。 逆スラッシュの役割について説明したあと、Perl 正規表現の中で特別な意味を持つ 全てのシーケンスを(アルファベット順に)示し、それぞれについて記述します。
ほとんどのシーケンスは他の文書に詳細に記述されています; この文書の主な目的は 全ての逆スラッシュシーケンスとエスケープシーケンスを記述した クイックリファレンスガイドとなることです。
正規表現において、逆スラッシュは二つのタスクのどちらかを行います: 引き続く文字の特殊な意味を取り除く(例えば、(\|
は代替ではなく、垂直バーに マッチングします)か、逆スラッシュシーケンスまたはエスケープシーケンスの 開始となります。
これが何かを決定する規則はかなり単純です: 逆スラッシュに引き続く文字が ASCII 句読点(非単語)文字(これは英字、数字、下線以外の全ての文字)なら、 逆スラッシュは引き続く文字の特別な意味を取り除きます。
逆スラッシュに引き続く文字が ASCII 英字または ASCII 数字なら、この並びは 特別です; その場合、以下に示します。 いくつかの文字はまだ使われておらず、これを逆スラッシュでエスケープするのは 特別なものにはしません。 将来のバージョンの Perl はこれに特別な意味を割り当てるかもしれないので、 しかし、警告が有効なら、そのような並びを使うと Perl は警告を出力します。 [1]。
しかし、逆スラッシュシーケンスやエスケープシーケンスが逆スラッシュの後に 句読点文字がくることがないことは今だけではなく将来のバージョンの Perl 5 でも保証されています。 従って、非単語文字の前に逆スラッシュを置くのは安全です。
逆スラッシュ自体が特別であることに注意してください; 逆スラッシュと マッチングしたいなら、逆スラッシュを逆スラッシュでエスケープする必要が あります: /\\/
は単一の逆スラッシュにマッチングします。
一つの例外があります。 パターンの区切りとして英数字を使っている(おそらくこれは可読性の理由で するべきではありません)場合、その文字にマッチングしたいなら区切り文字を エスケープする必要があります。 Perl は警告を出しません。 "Gory details of parsing quoted constructs" in perlop も参照してください。
([\da-z]
のような) 大かっこ文字クラスで使えないものは [] 内では使えない。
と記しています。
\000 8 進数エスケープシーケンス。\o{} も参照。
\1 絶対後方参照。[] 内では使えない。
\a アラームまたはベル。
\A 文字列の先頭。[] 内では使えない。
\b 単語/非単語境界。([] 内では後退)。
\B 単語/非単語境界でない。[] 内では使えない。
\cX Control-X
\C UTF-8 の下でも、単一のオクテット。[] 内では使えない。
\d 数字のための文字クラス。
\D 非数字のための文字クラス。
\e エスケープ文字。
\E \Q, \L, \U の処理を終了する。[] 内では使えない。
\f 書式送り。
\F \E まで畳み込み文字。[] 内では使えない。
\g{}, \g1 名前付きの絶対または相対後方参照。[] 内では使えない。
\G 位置表明。[] 内では使えない。
\h 水平空白のための文字クラス。
\H 非水平空白のための文字クラス。
\k{}, \k<>, \k'' 名前付き後方参照。[] 内では使えない。
\K \K の左側を保持する。[] 内では使えない。
\l 次の文字を小文字に。[] 内では使えない。
\L \E まで小文字に。[] 内では使えない。
\n (論理) 改行文字。
\N 改行以外の任意の文字。実験的。[] 内では使えない。
\N{} 名前付きまたは番号 (Unicode) 文字または並び。
\o{} 8 進数エスケープシーケンス。
\p{}, \pP Unicode 特性付き文字。
\P{}, \PP Unicode 特性なし文字。
\Q \E までパターンメタ文字をクォート(無効化)。
[] 内では使えない。
\r 復帰文字。
\R 一般的な改行。[] 内では使えない。
\s 空白のための文字クラス。
\S 非空白のための文字クラス。
\t タブ文字。
\u 辻の文字をタイトル文字に。[] 内では使えない。
\U \E まで大文字に。[] 内では使えない。
\v 垂直のための文字クラス。
\V 非垂直空白のための文字クラス。
\w 単語文字の文字クラス。
\W 非単語文字のための文字クラス。
\x{}, \x00 16 進数エスケープシーケンス。
\X 「拡張書記素クラスタ」。[] 内では使えない。
\z 文字列の末尾。[] 内では使えない。
\Z 文字列の末尾。[] 内では使えない。
一部の文字列は 文字エスケープ として動作します。 これらは、ASCII 符号位置 (10 進と 16 進)、ASCII の名前、ASCII プラットフォームでの制御エスケープ、短い説明と共に、以下の表に示しています。 (EBCDIC プラットフォームについては、"OPERATOR DIFFERENCES" in perlebcdic を 参照してください。)
Seq. 符号位置 ASCII Cntrl 説明。
10 進 16 進
\a 7 07 BEL \cG アラームまたはベル
\b 8 08 BS \cH 後退 [1]
\e 27 1B ESC \c[ エスケープ文字
\f 12 0C FF \cL 書式送り
\n 10 0A LF \cJ 改行 [2]
\r 13 0D CR \cM 復帰
\t 9 09 TAB \cI タブ
\b
は文字クラスの中でのみ復帰文字です。 文字クラスの外側では、\b
は単語非単語境界です。
\n
は論理改行にマッチングします。 Perl はテキストファイルの読み書きをする時には \n
OS ネイティブな 改行文字との間を変換します。
$str =~ /\t/; # Matches if $str contains a (horizontal) tab.
\c
は制御文字を示すために使われます; \c
に引き続く文字は 構文の値を決定します。 例えば \cA
の値は chr(1)
、\cb
の値は chr(2)
、などです。 内部の詳細は "Regexp Quote-Like Operators" in perlop にあります。 ASCII と EBCDIC プラットフォームで chr(1)
などが意味するものの完全な 一覧は "OPERATOR DIFFERENCES" in perlebcdic にあります。
正規表現 (またはダブルクォートされた文字列) の末尾に単体で \c\
を置くのは 不正です。 逆スラッシュには他の文字が引き続かなければなりません。 つまり、全ての文字 X に対して \c\X
は chr(28) . 'X' を意味する
ということです。
プラットフォーム独立なコードを書くためには、代わりに \N{ESCAPE}
や \N{U+001B}
のような \N{NAME}
を使わなければなりません; charnames を参照してください。
記憶法: 制御文字(control character)。
$str =~ /\cK/; # Matches if $str contains a vertical tab (control-K).
Unicode 文字は Unicode 名と数値の符号位置(序数)を持ちます。 文字をそれらの値で指定するには \N{}
構文を使います。 一部の文字並びにも名前があります。
名前を指定するには、文字や文字並びの名前は中かっこの間に書きます。
文字を Unicode 符号位置で指定するには、\N{U+code point}
形式を使います; ここで code point は Unicode が目的の文字に割り当てている符号位置を 16 進数で指定します。 数値を 4 桁にパッディングするために先頭にゼロを付ける慣習がありますが、 必須ではありません。 従って \N{U+0041}
は LATIN CAPITAL LETTER A
を意味し、先頭の二つの ゼロなしで書かれるのを見ることは稀でしょう。 \N{U+0041}
は ("A" の序数が 0x41 でない) EBCDIC マシンでも "A" を 意味します。
文字や文字並びに独自の名前をつけることすら可能です。 詳しくは charnames を参照してください。
(デバッグ出力で見るかも知れない拡張内部形式 \N{U+code point.code point...}
があります。 ...
は任意の数の code point をドットで区切ったものです。 これは文字によって形成される並びを表現します。 これは内部形式専用で、変更されるかも知れず、自分自身で 使おうとするべきではありません。)
記憶法: 名前付き文字(Named character)。
名前付きまたは番号による文字または文字並びで表現される文字は 正規表現エンジンにとって特別な意味を持たない文字として扱われ、 「そのまま」でマッチングすることに注意してください。
$str =~ /\N{THAI CHARACTER SO SO}/; # Matches the Thai SO SO character
use charnames 'Cyrillic'; # Loads Cyrillic names.
$str =~ /\N{ZHE}\N{KA}/; # Match "ZHE" followed by "KA".
8 進数エスケープには二つの形式があります。 それぞれは 8 進記法で指定された符号位置で文字を指定するために使われます。
Perl 5.14 から利用可能になった一つ目の形式は \o{...}
のようなもので、 ドットは一つ以上の 8 進数を表現します。 これはどのような Unicode 文字にも使えます。
これは全ての Perl で利用可能なもう一つの形式の潜在的な問題を避けるために 導入されました。 この形式は逆スラッシュに引き続いて 3 桁の 8 進数です。 この形式の問題の一つは、古い形式の後方参照とまったく同じように見えることです (以下の "Disambiguation rules between old-style octal escapes and backreferences" を参照してください。) 3 桁の数字の最初の文字を常にゼロにすることにこれを避けられますが、指定できる 最大の符号位置が \077 になります。
ある種のコンテキストでは、逆スラッシュに引き続いて二つや一つの 8 進数が 8 進エスケープとして解釈され、時々警告が出て、ある種のバグにより、時々 驚くような結果になります。 また、より小さいスニペットを結合して正規表現を作成して、3 桁より小さいものを 使うと、一つのスニペットの最初がその前のスニペットの終わりに追加された 数値と解釈されることがあります。 スニペット問題に関するさらなる議論と例については "Absolute referencing" を 参照してください。
8 進エスケープで表現される文字は正規表現エンジンにとって特別な意味を持たない 文字として考えられ、「そのまま」でマッチングすることに注意してください。
まとめると、\o{}
形式は常に安全で、もう一つの形式は、指定するときに 正確に 3 桁を使う場合 \077 までの符号位置なら安全です。
記憶法: 8 進数(0ctal または octal)。
$str = "Perl";
$str =~ /\o{120}/; # Match, "\120" is "P".
$str =~ /\120/; # Same.
$str =~ /\o{120}+/; # Match, "\120" is "P", it's repeated at least once
$str =~ /\120+/; # Same.
$str =~ /P\053/; # No match, "\053" is "+" and taken literally.
/\o{23073}/ # Black foreground, white background smiling face.
/\o{4801234567}/ # Raises a warning, and yields chr(4)
大かっこ文字クラスの外側での \000
形式での 8 進エスケープは潜在的に 古い形式の後方参照を破壊します。 (後述の "Absolute referencing" 参照)。 これらはどちらも逆スラッシュに引き続く数値で構成されます。 それで Perl は後方参照か 8 進エスケープかを決定するのに発見的手法を 使います。 Perl は曖昧さをなくすために以下の規則を使います:
逆スラッシュに引き続くのが単一の数字なら、それは後方参照です。
逆スラッシュに引き続く文字が 0 なら、それは 8 進エスケープです。
逆スラッシュに引き続く数値が N (10 進) で、Perl がすでに N 個の 捕捉グループを見ているなら、Perl はこれを後方参照として扱います。 さもなければ、これは 8 進エスケープとして扱います。 N が 3 桁より長いなら、Perl は 8 進エスケープとして最初の 3 桁のみを 使います; 残りはそのままマッチングされます。
my $pat = "(" x 999;
$pat .= "a";
$pat .= ")" x 999;
/^($pat)\1000$/; # Matches 'aa'; there are 1000 capture groups.
/^$pat\1000$/; # Matches 'a@0'; there are 999 capture groups
# and \1000 is seen as \100 (a '@') and a '0'
常に \g{...}
形式を使うことで後方参照に解釈するように強制できます。 常に \o{...}
形式を使うか、\077 (= 10 進で 63) までの数値の場合は、 "0" を先頭に付けて常に 3 桁で使うことで 8 進数に解釈するように強制できます。
8 進エスケープと同様、16 進エスケープにも二つの形式がありますが、どちらも 同じ \x
で始まります。 これに正確に 2 桁の数値を形成する 16 進数、あるいは中かっこで囲まれた 任意の桁の 16 進数が引き続きます。 16 進数は表現したい文字の符号位置です。
これらのエスケープの一つでで表現される文字は正規表現エンジンにとって特別な 意味を持たない文字として考えられ、「そのまま」でマッチングすることに 注意してください。
記憶法: 16 進数(hexadecimal)。
$str = "Perl";
$str =~ /\x50/; # Match, "\x50" is "P".
$str =~ /\x50+/; # Match, "\x50" is "P", it is repeated at least once
$str =~ /P\x2B/; # No match, "\x2B" is "+" and taken literally.
/\x{2603}\x{2602}/ # Snowman with an umbrella.
# The Unicode character 2603 is a snowman,
# the Unicode character 2602 is an umbrella.
/\x{263B}/ # Black smiling face.
/\x{263b}/ # Same, the hex digits A - F are case insensitive.
多くの逆スラッシュシーケンスは、引き続く文字を変更します。 \l
は引き続く文字を小文字に変えます; 一方\u
は引き続く文字を大文字(より 正確にはタイトル文字)にします。 これは関数 lcfirst
および ucfirst
と似たような機能を提供します。
複数の文字を大文字または小文字にするのに、\L
または \U
を 使いたいかもしれません; これは、パターンの末尾または次に \E
が現れるまでの全ての文字を小文字/大文字にします。 これらは関数 lc
および uc
と同じような機能を提供します。
\Q
は引き続く文字列を、次の \E
またはパターンの最後まで クォート(無効化)します。 \Q
は Perl で特殊な意味を持つ全ての文字に逆スラッシュを追加します。 ASCII の範囲では、英字、数字、下線でないものをクォートします。 非 ASCII 符号位置で何がクォートされるかに関する詳細については "quotemeta" in perlfunc を参照してください。 これにより \Q
と \E
の間の全ての文字はリテラルにマッチングし、 正規表現エンジンによってメタ文字として解釈されません。
\F
は次の \E
またはパターンの最後まで畳み込み文字にします。 これは fc
関数と似たような機能を提供します。
記憶法: 小文字(Lowercase)、大文字(Uppercase)、畳み込み文字 (Fold-case)、クォート(Quotemeta)、終了(End)。
$sid = "sid";
$greg = "GrEg";
$miranda = "(Miranda)";
$str =~ /\u$sid/; # Matches 'Sid'
$str =~ /\L$greg/; # Matches 'greg'
$str =~ /\Q$miranda\E/; # Matches '(Miranda)', as if the pattern
# had been written as /\(Miranda\)/
Perl の正規表現は広い範囲の文字クラスを持っています。 文字クラスの一部は逆スラッシュシーケンスとして書かれます。 ここではそれらについて簡潔に議論します; 文字クラスに関する完全な詳細は perlrecharclass にあります。
\w
は単一の任意の 単語 文字 (英字、数字、Unicode マーク、 (下線のような)接続句読点) にマッチングする文字クラスです。 \d
は 10 進数字にマッチングする文字クラスです; 一方文字クラス \s
は 空白文字にマッチングします。 perl 5.10.0 から導入されたのは、それぞれ水平空白文字と垂直空白文字に マッチングする \h
と \v
です。
\d
, \s
, \w
でマッチングする文字の正確な集合は様々なプラグマと 正規表現修飾子に依存して異なります。 /a
正規表現修飾子を使うことで ASCII の範囲にマッチングするように 制限できます。 perlrecharclass を参照してください。
大文字の変種 (\W
, \D
, \S
, \H
, \V
) はそれぞれ単語文字、数字、 空白、水平空白、垂直空白ではない任意の文字にマッチングします。
記憶法: 単語(word)、数字(digit)、空白(space)、水平(horizontal)、 垂直(vertical)。
\pP
(ここで P
は単一の文字) と \p{Property}
は与えられた Unicode 特性にマッチングする文字にマッチングしていました; 特性には "letter" や "thai character" のようなものが含まれます。 並びを \PP
と \P{Property}
のようにキャピタライズすると、与えられた Unicode 特性にマッチングしない文字にマッチングするようになります。 さらなる詳細については、"Backslash sequences" in perlrecharclass と "Unicode Character Properties" in perlunicode を参照してください。
記憶法: 特性(property)。
正規表現で捕捉かっこが使われると、マッチングしたソース文字列の一部を 参照したり、全く同じものにマッチングしたりできます。 このような 後方参照 を参照するには三つの方法があります: 絶対、相対、 名前付きです。
(Perl 5.10.0 に導入された) \gN
または (古い形式の) \N
で N が 任意の長さの正の(符号なし)10 進数の場合、捕捉グループへの絶対参照です。
N はかっこの N 番目の集合を参照するので、\gN
はかっこのその集合に マッチングするものを参照します。 従って、\g1
は正規表現中の最初の捕捉グループを参照してます。
\gN
形式は、より短い文字列を結合することにより正規表現を構築するときの 曖昧さを避けるために \g{N}
と等価に書けます。 さもなければ、qr/$a$b/
という正規表現があって、$a
に "\g1"
が入り、 $b
に "37"
が入っていると、/\g137/
を得ることになり、おそらく 望んでいないものでしょう。
\N
形式で、N は "0" で始まってはならず、少なくとも N 個の 捕捉グループがなければなりません; さもなければ N は 8 進エスケープと 考えられます (しかし \18
のようなものは \0018
と同じです; つまり、 8 進エスケープ "\001"
に引き続いてリテラルの数値 "8"
です)。
記憶法: グループ(group)。
/(\w+) \g1/; # Finds a duplicated word, (e.g. "cat cat").
/(\w+) \1/; # Same thing; written old-style
/(.)(.)\g2\g1/; # Match a four letter palindrome (e.g. "ABBA").
(Perl 5.10.0 に導入された) \g-N
は相対参照のために使われます。 (これは \g{-N
と書けます。) \g{-N}
の N 個前のグループを参照します。
この形式の大きな利点は、捕捉グループを含んでいるような大きなパターンに 展開されるような参照のパターンをより簡単に書けることです。
/(A) # Group 1
( # Group 2
(B) # Group 3
\g{-1} # Refers to group 3 (B)
\g{-3} # Refers to group 1 (A)
)
/x; # Matches "ABBA".
my $qr = qr /(.)(.)\g{-2}\g{-1}/; # Matches 'abab', 'cdcd', etc.
/$qr$qr/ # Matches 'ababcdcd'.
(Perl 5.10.0 に導入された) \g{name}
は名前付き捕捉グループへの 後方参照に使われ、捕捉バッファの位置について考える必要を完全になくします。
.Net 正規表現との互換性のために、\g{name}
は \k{name}
, \k<name>
, \k'name'
とも書けます。
曖昧さを避けるために、name は数値で始まったりハイフンを含んだりしては いけません。
/(?<word>\w+) \g{word}/ # Finds duplicated word, (e.g. "cat cat")
/(?<word>\w+) \k{word}/ # Same.
/(?<word>\w+) \k<word>/ # Same.
/(?<letter1>.)(?<letter2>.)\g{letter2}\g{letter1}/
# Match a four letter palindrome (e.g. "ABBA")
表明は真である必要がある条件です; 実際に部分文字列の一部に マッチングすることはありません。 逆スラッシュシーケンスとして書かれる六つの表明があります。
\A
は文字列の先頭にのみマッチングします。 /m
修飾子が使われていなければ、/\A/
は /^/
と等価です。 しかし、/m
修飾子が使われると、/^/
は内部改行にマッチングしますが、 /\A/
の意味は /m
修飾子によって変わりません。 \A
は、/m
修飾子が使われるかどうかに関わらず文字列の先頭に マッチングします。
\z
と \Z
は文字列の末尾にマッチングします。 /m
修飾子が使われていなければ、/\Z/
は /$/
と等価です; 文字列の 末尾か、文字列の末尾の改行の手前にマッチングします。 /m
修飾子が使われると、/$/
は内部改行にマッチングしますが、 /\Z/
の意味は /m
修飾子によって変わりません。 \Z
は、/m
修飾子が使われるかどうかに関わらず文字列の末尾(あるいは 末尾の改行の直前)にマッチングします。
\z
は \Z
と同様ですが、末尾の改行の手前ではマッチングしません。 \z
は文字列の末尾にのみマッチングします - 修飾子が使われるかや改行の 前かに関わりません。 これはアンカーがあらゆる条件の基で文字列の真の末尾にマッチングする方法です。
\G
は普通は /g
修飾子との組み合わせでのみ使われます。 /g
修飾子が使われ、マッチングがスカラコンテキストで行われると、 Perl は最後のマッチングが終了したソース文字列の位置を覚えていて、次回の マッチングでは、前回終わった位置からマッチングを開始します。
\G
はその文字列で前回のマッチングが終了した位置、あるいは前回に マッチングがなければ文字列の先頭にマッチングします。
記憶法: グローバル(Global)。
\b
は単語文字と非単語文字の境界にマッチングします; \B
は \b
が マッチングしない任意の文字間にマッチングします。 \b
と \B
は、ソース文字列の先頭の前と末尾の後ろに非単語文字があると 仮定します; 従って \b
は、ソース文字列が単語文字で始まっている(または 終わっている)場合はソース文字列の先頭(または末尾)にマッチングします。 さもなければ、\B
がマッチングします。
\b=head\d\b
のようなものを使って行頭にマッチングすると 仮定しないでください。 これはできません; なぜなら非単語 "=" の前に境界があり、直前に単語文字が なければならないからです。 全ての境界決定は単語文字のみを探し、非単語文字や文字列の末尾は探しません。 <\b> と <\B> がどのように動作するかは以下のように同等化することで 理解の助けになるでしょう:
\b really means (?:(?<=\w)(?!\w)|(?<!\w)(?=\w))
\B really means (?:(?<=\w)(?=\w)|(?<!\w)(?!\w))
記憶法: 境界(boundary)。
"cat" =~ /\Acat/; # Match.
"cat" =~ /cat\Z/; # Match.
"cat\n" =~ /cat\Z/; # Match.
"cat\n" =~ /cat\z/; # No match.
"cat" =~ /\bcat\b/; # Matches.
"cats" =~ /\bcat\b/; # No match.
"cat" =~ /\bcat\B/; # No match.
"cats" =~ /\bcat\B/; # Match.
while ("cat dog" =~ /(\w+)/g) {
print $1; # Prints 'catdog'
}
while ("cat dog" =~ /\G(\w+)/g) {
print $1; # Prints 'cat'
}
ここでは上述のカテゴリの一つに当てはまらない逆スラッシュシーケンスについて 記述します。 それは:
\C
は、例えソース文字列が UTF-8 形式でエンコードされていても、 常に単一のオクテットにマッチングし、マッチングする文字は複数オクテット 文字です。 \C
は perl 5.6 で導入されました。 これはとても危険です; なぜならこれは論理文字抽象化に違反し、UTF-8 並びを 不正なものにする可能性があるからです。
記憶法: オクテット(oCtet)。
これは perl 5.10.0 から現れました。 \K
の左側でマッチングしたものは $&
に含まれまず、 パターンが置換で使われた場合は置き換えられません。 これにより、s/(PAT1) PAT2/${1}REPL/x
or s/(?<=PAT1) PAT2/REPL/x
の 代わりに s/PAT1 \K PAT2/REPL/x
と書けます。
Mnemonic: 保持(Keep)。
これは perl 5.12.0 からの実験的な機能です。 これは改行 でない 任意の文字にマッチングします。 これは [^\n]
の省略形で、.
メタ文字と同じですが、.
の意味を変える /s
フラグが付いていても \N
の意味は変わりません。
\N{...}
は 名前または番号の文字 を 意味するかも知れないことに注意してください。
記憶法: \n の補数。
\R
は 一般的な改行 にマッチングします; これは Unicode で改行並びとして 扱われるものです。 これには \v
(垂直空白) でマッチングする全ての文字、複数文字並び "\x0D\x0A"
(復帰に引き続いて改行、時々ネットワーク改行と呼ばれるもの; これは Microsoft テキストファイルをバイナリモードで開いた時に使われる 行末並びです) を含みます。 \R
は (?>\x0D\x0A)|\v)
と等価です。 (バックトラックしない理由は、並びは分割できないと考えられるからです。 つまり、
"\x0D\x0A" =~ /^\R\x0A$/ # No match
は失敗します; \R
は文字列全体にマッチングし、"\x0D"
だけを マッチングするようにバックトラックしないからです。) \R
は複数の文字の並びにマッチングするので、大かっこ文字クラスの内側には 使えません; /[\R]/
はエラーです; 代わりに \v
を使ってください。 \R
は perl 5.10.0 で導入されました。
これは有効かもしれないロケールを認識しないことに注意してください; これは プラットフォームのネイティブな文字集合に従ってマッチングします。
記憶法: 実際のところありません。 \R
が選ばれたのは、PCRE が既に \R
を使っていて、さらに重要なのは Unicode がこのような正規表現メタ文字を勧めていて、記法として \R
を 提案しているからです。
これは Unicode の 拡張書記素クラスタ (extended grapheme cluster) に マッチングします。
\X
は普通の (非 Unicode プログラマの) 使い方で単一の文字と考えられるものに かなりうまくマッチングします。 例えば、矢印のような、何らかのダイアクリティカルマーク付きの G を考えます。 Unicode にはそのような単一の文字はありませんが、G に引き続いて Unicode の "COMBINING UPWARDS ARROW BELOW" を使うことで合成でき、Unicode を認識する ソフトウェアに依って単一の文字であるかのように表示されます。
記憶法: 拡張 Unicode 文字(eXtended Unicode character)。
"\x{256}" =~ /^\C\C$/; # Match as chr (0x256) takes 2 octets in UTF-8.
$str =~ s/foo\Kbar/baz/g; # Change any 'bar' following a 'foo' to 'baz'
$str =~ s/(.)\K\g1//g; # Delete duplicated characters.
"\n" =~ /^\R$/; # Match, \n is a generic newline.
"\r" =~ /^\R$/; # Match, \r is a generic newline.
"\r\n" =~ /^\R$/; # Match, \r\n is a generic newline.
"P\x{307}" =~ /^\X$/ # \X matches a P with a dot above.