perl5261delta - perl v5.26.1 での変更点
この文書は 5.26.0 リリースと 5.26.1 リリースの変更点を記述しています。
5.24.0 のような以前のリリースから更新する場合は、まず 5.24.0 と 5.26.0 の違いについて記述している perl5260delta を読んでください。
大文字小文字無視修飾子付きのある種の正規表現パターンのコンパイル時に ヒープバッファオーバーフローを引き起こして perl が クラッシュすることがありました。 これは修正されました。 [perl #131582]
ある種の正規表現パターンの文法エラーにおいて、エラーメッセージが長くて ランダムなメモリの塊の内容を含んでいたり、perl が クラッシュしたりすることがありました。 これは修正されました。 [perl #131598]
$ENV{$key}
stack buffer overflow on WindowsWindows での %ENV
コード中でのバッファオーバーフローの可能性が 修正されました; どちらにしろこれは不要だったので、バッファを完全に 取り除きました。 [perl #131665]
故意に、5.26.0 から互換性がなくなるようにした変更はありません。 もし 5.26.0 との互換性がなければ、それはバグですので、報告をお願いします。 以下の "Reporting Bugs" を参照してください。
base はバージョン 2.25 から 2.26 に更新されました。
@INC
から '.'
を除去し、偽陽性を減らすためのより精度が高く正確な 解決法の導入により、このモジュールのドットなし @INC
の影響は 限定的になりました。
charnames はバージョン 1.44 から 1.45 に更新されました。
Module::CoreList はバージョン 5.20170530 から 5.20170922_26 に更新されました。
FreeBSD-11.0 での g++ を使ったビルドが修正されました。 [perl #131337]
Windows で (Visual C++ 14.1 を含む) Microsoft Visual Studio 2017 を使った perl コンパイル対応が追加されました。
strtoll
と strtoull
の間違ったマッピングにより、64 ビットビルドの Perl で GCC 6 を使った XS モジュールのビルドに失敗していました。 これは修正されました。 [perl #131726] [cpan #121683] [cpan #122353]
いくつかの組み込み関数には、アイテムを書き込むだけの余裕を割り当てることなく 内部スタックに書き込むことがあるというバグがありました。 稀な場合には、これがクラッシュを引き起こすことがありました。 これらのバグは修正され、もし将来同様のバグが導入された場合、 デバッグビルドで自動的に検出されるようになりました。 [perl #131732]
ハッシュ検索のキーとして後置デリファレンス文法のシンボリックリファレンスを 使うと、デバッグビルドでアサート失敗を引き起こしていました。 [perl #131627]
リスト代入 (aassign
) は稀に揮発性スタックにエントリを割り当て、 エントリを未初期化のままにすることがありました。 [perl #131570]
既に同じ名前の関数が存在する our
変数に対して属性を適用すると、 SV が想定されているところで NULL ポインタが供給され、perl が クラッシュすることがありました。 [perl #131597]
コードリファレンスの外の型グロブを自動有効化するコートが 誤った仮定をしていたため、$::{"A"} = sub {}; \&{"A"}
のような場合に クラッシュを引き起こすことがありました。 これは修正されました。 [perl #131085]
my_atof2
はもはや末尾の NUL を越えて読み込まなくなりました; 以前は NUL の直前に小数点がある場合に発生していました。 [perl #131526]
utf8 文字列への s//
で時々 "Malformed UTF-8 character" クラッシュが 起きていましたが修正されました。 [perl #131575]
perldoc -f s
は s///
を見つけるようになりました。 [perl #131371]
utf8 変換後の間違った警告が修正されました。 [perl #131190]
Perl 例外を捕捉するための jmpenv
フレームは遅延して設定されますが、 これは少し遅すぎました。 捕捉器はより早く設定され、クラッシュの可能性を避けるようになりました。 [perl #105930]
偽の "Assuming NOT a POSIX class" 警告が削除されました。 [perl #131522]
Perl 5.26.1 は、Perl 5.26.0 以降、23 人の作者によって、 85 のファイルに約 8,900 行の変更を加えて、 約 4 ヶ月開発されてきました。
自動生成ファイル、文書、リリースツールを除くと、38 の .pm, .t, .c, .h ファイルに約 990 行の変更を加えました。
Perl は、活気のあるユーザーと開発者のコミュニティのおかげで 20 年を超えて 繁栄しています。 以下の人々が、Perl 5.26.1 になるための改良に貢献したことが分かっています:
Aaron Crane, Andy Dougherty, Aristotle Pagaltzis, Chris 'BinGOs' Williams, Craig A. Berry, Dagfinn Ilmari Mannsåker, David Mitchell, E. Choroba, Eric Herman, Father Chrysostomos, Jacques Germishuys, James E Keenan, John SJ Anderson, Karl Williamson, Ken Brown, Lukas Mai, Matthew Horsfall, Ricardo Signes, Sawyer X, Steve Hay, Tony Cook, Yves Orton, Zefram.
これはバージョンコントロール履歴から自動的に生成しているので、ほぼ確実に 不完全です。 特に、Perl バグトラッカーに問題を報告をしてくれた (とてもありがたい)貢献者の 名前を含んでいません。
このバージョンに含まれている変更の多くは、Perl コアに含まれている CPAN モジュール由来のものです。 私たちは Perl の発展を助けている CPAN コミュニティ全体に感謝します。
全ての Perl の歴史的な貢献者のより完全な一覧については、どうか Perl ソース 配布に含まれている AUTHORS を参照してください。
もしバグと思われるものを見つけたら、 https://rt.perl.org/ にある perl バグ データベースを確認してください。 Perl ホームページ、http://www.perl.org/ にも情報があります。
もしまだ報告されていないバグだと確信したら、そのリリースに含まれている perlbug プログラムを実行してください。 バグの再現スクリプトを十分小さく、しかし有効なコードに切りつめることを 意識してください。 バグレポートは perl -V
の出力と一緒に perlbug@perl.org に送られ Perl porting チームによって解析されます。
もし報告しようとしているバグがセキュリティに関するもので、公開されている メーリングリストに送るのが不適切なものなら、 問題の報告方法の詳細について "SECURITY VULNERABILITY CONTACT INFORMATION" in perlsec を参照してください。
もし Perl 5 でなされた作業について Perl 5 Porters に感謝したいと考えたなら、 perlthanks
プログラムを実行することでそうできます:
perlthanks
これは Perl 5 Porters メーリングリストにあなたの感謝の言葉をメールします。
変更点の完全な詳細を見る方法については Changes ファイル。
Perl のビルド方法については INSTALL ファイル。
一般的なことについては README ファイル。
著作権情報については Artistic 及び Copying ファイル。