NAME

perl5263delta - perl v5.26.3 での変更点

DESCRIPTION

この文書は 5.26.2 リリースと 5.26.3 リリースの変更点を記述しています。

5.26.1 のような以前のリリースから更新する場合は、まず 5.26.1 と 5.26.2 の違いについて記述している perl5262delta を読んでください。

セキュリティ

[CVE-2018-12015] Directory traversal in module Archive::Tar

デフォルトでは、Archive::Tar はカレントディレクトリの外側に ファイルを展開することを許しません。 しかし、この安全展開モードは tar ファイルの中に同じ名前のシンボリックリンクと 通常のファイルを置くことで回避することが出来ました。

[perl #133250] [cpan #125523]

[CVE-2018-18311] Integer overflow leading to buffer overflow and segmentation fault

Perl_my_setenv() の整数演算は、 環境変数名と値の長さの合計が 0x7fffffff を終えたときに回り込む可能性が ありました。 これにより、攻撃者が提供したデータが割り当てられたバッファの末尾を越えた 書き込みを引き起こすことがありました。

[perl #133204]

[CVE-2018-18312] Heap-buffer-overflow write in S_regatom (regcomp.c)

細工された正規表現により、コンパイル時にヒープバッファオーバーフロー書き込みを 引き起こすことがあり、任意コード実行を引き起こす可能性がありました。

[perl #133423]

[CVE-2018-18313] Heap-buffer-overflow read in S_grok_bslash_N (regcomp.c)

細工された正規表現がコンパイル時にヒープバッファオーバーフロー読み込みを 引き起こすことがあり、機密情報の漏洩につながる可能性がありました。

[perl #133192]

[CVE-2018-18314] Heap-buffer-overflow write in S_regatom (regcomp.c)

細工された正規表現により、コンパイル時にヒープバッファオーバーフロー書き込みを 引き起こすことがあり、任意コード実行を引き起こす可能性がありました。

[perl #131649]

互換性のない変更

故意に、5.26.2 から互換性がなくなるようにした変更はありません。 もし 5.26.2 との互換性がなければ、それはバグですので、報告をお願いします。 以下の "Reporting Bugs" を参照してください。

モジュールとプラグマ

更新されたモジュールとプラグマ

診断メッセージ

次のような追加と変更が、警告や致命的エラーメッセージを含む診断出力に 行われました。 診断メッセージの完全な一覧については、perldiag を参照してください。

新しい診断メッセージ

新しいエラー

既存の診断メッセージの変更

Acknowledgements

Perl 5.26.3 は、Perl 5.26.2 以降、15 人の作者によって、 51 のファイルに約 4,500 行の変更を加えて、 約 8 ヶ月開発されてきました。

自動生成ファイル、文書、リリースツールを除くと、10 の .pm, .t, .c, .h ファイルに約 770 行の変更を加えました。

Perl は、活気のあるユーザーと開発者のコミュニティのおかげで 20 年を超えて 繁栄しています。 以下の人々が、Perl 5.26.3 になるための改良に貢献したことが分かっています:

Aaron Crane, Abigail, Chris 'BinGOs' Williams, Dagfinn Ilmari Mannsåker, David Mitchell, H.Merijn Brand, James E Keenan, John SJ Anderson, Karen Etheridge, Karl Williamson, Sawyer X, Steve Hay, Todd Rinaldo, Tony Cook, Yves Orton.

これはバージョンコントロール履歴から自動的に生成しているので、ほぼ確実に 不完全です。 特に、Perl バグトラッカーに問題を報告をしてくれた (とてもありがたい)貢献者の 名前を含んでいません。

このバージョンに含まれている変更の多くは、Perl コアに含まれている CPAN モジュール由来のものです。 私たちは Perl の発展を助けている CPAN コミュニティ全体に感謝します。

全ての Perl の歴史的な貢献者のより完全な一覧については、どうか Perl ソース 配布に含まれている AUTHORS を参照してください。

バグ報告

もしバグと思われるものを見つけたら、 https://rt.perl.org/ にある perl バグ データベースを確認してください。 Perl ホームページ、http://www.perl.org/ にも情報があります。

もしまだ報告されていないバグだと確信したら、そのリリースに含まれている perlbug プログラムを実行してください。 バグの再現スクリプトを十分小さく、しかし有効なコードに切りつめることを 意識してください。 バグレポートは perl -V の出力と一緒に perlbug@perl.org に送られ Perl porting チームによって解析されます。

報告しようとしているバグがセキュリティに関するもので、公開されている メーリングリストに送るのが不適切なものなら、バグの報告方法の詳細について "SECURITY VULNERABILITY CONTACT INFORMATION" in perlsec を参照してください。

感謝を伝える

もし Perl 5 でなされた作業について Perl 5 Porters に感謝したいと考えたなら、 perlthanks プログラムを実行することでそうできます:

    perlthanks

これは Perl 5 Porters メーリングリストにあなたの感謝の言葉をメールします。

SEE ALSO

変更点の完全な詳細を見る方法については Changes ファイル。

Perl のビルド方法については INSTALL ファイル。

一般的なことについては README ファイル。

著作権情報については Artistic 及び Copying ファイル。