$[
への非ゼロの代入は致命的エラーになりました"{"
は不正になりましたpack()
はもはや不正な UTF-8 を返さなくなりましたperl5300delta - perl v5.30.0 での変更点
この文書は 5.28.0 リリースと 5.30.0 リリースの変更点を記述しています。
5.26.0 のような以前のリリースから更新する場合は、まず 5.26.0 と 5.28.0 の違いについて記述している perl5280delta を読んでください。
sv_utf8_(downgrade|decode) はもはや実験的ではなくなりました。 [perl #133788].
((?<=foo?)
や (?<!ba{1,9}r)
のような) 後方参照アサートを使うと、 以前はエラーが発生してコンパイルを拒否していました。 これは (最大後方参照が最大 255 文字なら) コンパイルはされますが、 新しい experimental::vlb
警告カテゴリの警告が発生するようになりました。 これは、正確な振る舞いは現場でのフィードバックを基にして変更される 予定であることを注意するものです。
"(?<=pattern)" in perlre and "(?<!pattern)" in perlre を参照してください。
"{m,n}"
形式の正規表現量指定子の "n"
の上限が 65534 に倍増しました上限指定なし量指定子 "{m,}"
の意味は変わりません。 これはほとんどのプラットフォームで 2**31 - 1 回マッチングし、 C 言語の short 変数の長さが 4 バイトより長いプラットフォームではもっと 多くなります。
Unicode のリリースサイクルの変更により、Perl は Perl 5.28 の Unicode 10.0 から Perl 5.30 の Unicode 12.1 にジャンプします。
Unicode の変更に関する詳細については、 11.0 は https://www.unicode.org/versions/Unicode11.0.0/ を、 12.0 は https://www.unicode.org/versions/Unicode12.0.0/ を、 12.1 は https://www.unicode.org/versions/Unicode12.1.0/ を 参照してください。 (Unicode 12.1 の 12.0 との違いは、新しい日本の元号を表す一つの文字が 追加されただけです。)
Word_Break 特性は、過去の Perl リリースと同様、Perl ユーザーの 推測とより一致するように振る舞いを調整したままです。 これは、引き続く水平空白文字の列は分割されず、一続きのままに なるということです。 Unicode 11 はより Perl に一致するように過去のバージョンから 変更されましたが、まだいくつかの空白文字が分割を引き起こします: TAB, NO BREAK SPACE, FIGURE SPACE (U+2007)。 私たちはこれらに対する以前の Perl の調整を続けることにしました。
正規表現パターン中で次のようなことができるようになりました:
qr! \p{nv= /(?x) \A [0-5] \z / }!
これは数値が 0 から 5 であるすべての Unicode 符号位置にマッチングします。 従って、これはタイ語数字やベンガル語数字で 0, 1, 2, 3, 4, 5 を意味する ものにマッチングします。
これは Unicode Consortium が提案している正規表現機能を実装するための さらなる一歩となります。
ほとんどの特性に対応していて、残りは 5.32 に計画されています。 詳細は "Wildcards in Property Values" in perlunicode にあります。
以前は、(評価が通常より遅延する) シングルクォート正規表現パターンの中の 名前付き文字 \N{...}
を評価するとエラーになっていました。 この制限は取り除かれました。
トルコ語は "i"
と "I"
のに関してほかの言語と異なる大文字小文字変換規則を 持ちます。 "i"
の大文字は LATIN CAPITAL LETTER I WITH DOT ABOVE (U+0130) です; そして "I"
の小文字は LATIN SMALL LETTER DOTLESS I (U+0131) です。 Unicode はトルコ語で使うための代替大文字小文字変換規則を提供しています。 以前は、Perl はこれらを無視していましたが、トルコ語 UTF-8 ロケールを 検出したときにはこれを使うようになりました。
以前は、これらの呼び出しは perl がマルチスレッドでコンパイルされている 場合にのみ使われていました。 これらを常に有効にするには、
-Accflags='-DUSE_THREAD_SAFE_LOCALE'
を Configure フラグに追加してください。
このマクロはまだ定義されていますがもはやコアでは使われていません。
-Drv
は -DDEBUGGING
ビルドで意味を持つようになりました-Dr
フラグに饒舌フラグ (-Dv
) を追加すると、すべての正規表現デバッグが 有効になるようになりました。
$[
への非ゼロの代入は致命的エラーになりました$[
を非 0 にするのは Perl 5.12 から廃止予定でしたが、 これは致命的エラーを起こすようになりました。 "Assigning non-zero to $[
is fatal" in perldeprecation を 参照してください。
"Use of unassigned code point or non-standalone grapheme for a delimiter." in perldeprecation を参照してください。
"{"
は不正になりましたしかし不必要にコードを破壊するのを避けるために、 廃止予定警告が出ていたほとんどの場合では、正当なままで残り、 非廃止予定警告が出るようになりました。 "Unescaped left braces in regular expressions" in perldeprecation を 参照してください。
:utf8
ハンドルでの sysread(), syswrite(), send(), recv() の呼び出しは、 明示的であれ暗黙的であれ、致命的エラーになりました。 これは perl 5.24 で廃止予定になっていました。
これらを :utf8
ハンドルで呼び出すことには二つの問題がありました:
四つ全ての関数は :utf8
フラグにしか注意を払いません。 その他の層は完全に無視されるので、 :encoding(UTF-16LE)
層のハンドルは UTF-8 として扱われます。 圧縮のようなその他の層は、:utf8
フラグのありなしに関わらず 完全に無視されます。
sysread() と recv() はハンドルから読み込み、層による検証を飛ばし、 独自の検証を行いません。 これは不正にエンコードされた perl スカラを引き起こすことがあります。
my $x if 0
のような宣言はもはや許されません。
これらの特殊変数は、長い間廃止予定でしたが、使うと例外が 起こるようになりました。
dump()
関数は、長い間非推奨でしたが、 CORE::dump()
のように完全修飾しない限り使えなくなりました。
File::Glob::glob()
関数は、長い間廃止予定でしたが、今回削除され、 代わりに File::Glob::bsd_glob()
を使うように助言する 例外が発生するようになりました。
pack()
はもはや不正な UTF-8 を返さなくなりましたUTF-8 文字列を返すべきところで不正な UTF-8 を含んでいる場合、 croak します。 これはセキュリティ上の脅威の可能性から保護します。 これはバグ修正とも考えられます。 [perl #131642].
Common 用字にはいくつかの数字の集合があります。 [0-9]
は最も親しまれているものです。 しかし [\x{FF10}-\x{FF19}]
(FULLWIDTH DIGIT ZERO - FULLWIDTH DIGIT NINE) もあり、また MATHEMATICAL DOUBLE-STRUCK DIGIT のような 数学記法のためのいくつかの集合があります。 これらの集合のいずれも、たとえばギリシャ語の用字並びに現れることが出来ます。 しかし 5.30 の設計は ASCII 数字 [0-9]
以外の全てを見落としており、 設計には欠陥がありました。 これは修正され、バグ修正と非互換性の両方をもちます。 [perl #133547].
ある並びの中の全ての数字は同じ集合の 10 の数字である必要があるのは そのままです。
JSON::XS 4.0 はポリシーを変更してデフォルトで allow_nonref が 有効になったので、JSON::PP もデフォルトで allow_nonref を 有効にするようになりました。
この廃止予定は 5.30 で致命的エラーになる予定でしたが、 一部の CPAN モジュールで判明した問題により 5.32 に延期されました。 何が影響を受けるか任官する詳細については、 perldeprecation を 参照してください。
UTF-8 からそれを表現する符号位置への変換は、 決定性有限オートマトンで行われるようになり、高速化しました。 典型的な例として、ord("\x7fff")
が必要な時間は以前より 12% 少なくなりました。 バイト列が正当な UTF-8 かをチェックするときの性能も、再び DFA を使うことで 同様に改善しました。
finalize_op() からの再帰の除去。 [perl #108276].
文字畳み込みと正規表現の中の文字クラスに関連する少量の小さい最適化。
IV
から UV
への変換が最適化されました。 [perl #133677].
整数の文字列化アルゴリズムは、一桁ずつではなく二桁ずつ処理することで 高速化しました。 [perl #133691].
LGTM による解析と推奨を基にした改善を行いました。 (https://lgtm.com/projects/g/Perl/perl5/alerts/?mode=tree). [perl #133686]. [perl #133699].
regcomp.c, regcomp.h, regexec.c でのコードが最適化されました。
qr/[^a]/
のようなものにマッチングする正規表現パターンは、 a が任意の ASCII 文字のときにかなり高速化しました。 その他のクラスもこの高速化の恩恵を受けることがありますが、 しかしこれは複雑でそれぞれの文字のビットパターンに依存しているので、 ASCII と EBCDIC プラットフォームで異なりますが、 qr/[Gg]/
のような全ての大文字小文字の組は含まれ、 [^01]
と同様です。
Archive::Tar はバージョン 2.30 から 2.32 に更新されました。
B はバージョン 1.74 から 1.76 に更新されました。
B::Concise はバージョン 1.003 から 1.004 に更新されました。
B::Deparse はバージョン 1.48 から 1.49 に更新されました。
bignum はバージョン 0.49 から 0.51 に更新されました。
bytes はバージョン 1.06 から 1.07 に更新されました。
Carp はバージョン 1.38 から 1.5 に更新されました。
Compress::Raw::Bzip2 はバージョン 2.074 から 2.084 に更新されました。
Compress::Raw::Zlib はバージョン 2.076 から 2.084 に更新されました。
Config::Extensions はバージョン 0.02 から 0.03 に更新されました。
Config::Perl::V はバージョン 0.29 から 0.32 に更新されました。 これは、バイナリ互換性に影響を与える新しい設定変数 USE_THREAD_SAFE_LOCALE
によるものです。
CPAN はバージョン 2.20 から 2.22 に更新されました。
Data::Dumper はバージョン 2.170 から 2.17 に更新されました。
Data::Dumper は croak
したときにリークしなくなりました。
DB_File はバージョン 1.840 から 1.843 に更新されました。
deprecate はバージョン 0.03 から 0.04 に更新されました。
Devel::Peek はバージョン 1.27 から 1.28 に更新されました。
Devel::PPPort はバージョン 3.40 から 3.52 に更新されました。
Digest::SHA はバージョン 6.01 から 6.02 に更新されました。
Encode はバージョン 2.97 から 3.01 に更新されました。
Errno はバージョン 1.29 から 1.30 に更新されました。
experimental はバージョン 0.019 から 0.020 に更新されました。
ExtUtils::CBuilder はバージョン 0.280230 から 0.280231 に更新されました。
ExtUtils::Manifest はバージョン 1.70 から 1.72 に更新されました。
ExtUtils::Miniperl はバージョン 1.08 から 1.09 に更新されました。
ExtUtils::ParseXS はバージョン 3.39 から 3.40 に更新されました。 OUTLIST
が誤って自動的に生成された関数プロトタイプに含まれていましたが、 もはや含まれなくなりました。 [perl #133654].
feature はバージョン 1.52 から 1.54 に更新されました。
File::Copy はバージョン 2.33 から 2.34 に更新されました。
File::Find はバージョン 1.34 から 1.36 に更新されました。
$File::Find::dont_use_nlink
はすべてのプラットフォームでデフォルトが 1 になりました。 [perl #133673].
変数 $Is_Win32
と $Is_VMS
が初期化されるようになりました。
File::Glob はバージョン 1.31 から 1.32 に更新されました。
File::Path はバージョン 2.15 から 2.16 に更新されました。
File::Spec はバージョン 3.74 から 3.78 に更新されました。
Android ビルドで targetsh
が定義されていないときの Cwd の警告が出なくなりました。
File::Temp はバージョン 0.2304 から 0.2309 に更新されました。
Filter::Util::Call はバージョン 1.58 から 1.59 に更新されました。
GDBM_File はバージョン 1.17 から 1.18 に更新されました。
HTTP::Tiny はバージョン 0.070 から 0.076 に更新されました。
I18N::Langinfo はバージョン 0.17 から 0.18 に更新されました。
IO はバージョン 1.39 から 1.40 に更新されました。
IO-Compress はバージョン 2.074 から 2.084 に更新されました。
IO::Uncompress::Zstd
と IO::Uncompress::UnLzip
への対応が追加されました。
オプション BinModeIn
と BinModeOut
は何もしなくなりました。 すべてのファイルはバイナリモードで読み書きされます。
IPC::Cmd はバージョン 1.00 から 1.02 に更新されました。
JSON::PP はバージョン 2.97001 から 4.02 に更新されました。
JSON::PP は JSON::XS 4.0 と同様デフォルトで allow_nonref
を 有効にします。
lib はバージョン 0.64 から 0.65 に更新されました。
Locale::Codes はバージョン 3.56 から 3.57 に更新されました。
Math::BigInt はバージョン 1.999811 から 1.999816 に更新されました。
bnok()
は完全な Kronenburg 拡張に対応しました。 [cpan #95628].
Math::BigInt::FastCalc はバージョン 0.5006 から 0.5008 に更新されました。
Math::BigRat はバージョン 0.2613 から 0.2614 に更新されました。
Module::CoreList はバージョン 5.20180622 から 5.20190520 に更新されました。
B::Op_private と Config に変更しました。
Module::Load はバージョン 0.32 から 0.34 に更新されました。
Module::Metadata はバージョン 1.000033 から 1.000036 に更新されました。
テスト後の一時ディレクトリを適切にクリアするようになりました。
NDBM_File はバージョン 1.14 から 1.15 に更新されました。
Net::Ping はバージョン 2.62 から 2.71 に更新されました。
ODBM_File はバージョン 1.15 から 1.16 に更新されました。
PathTools はバージョン 3.74 から 3.78 に更新されました。
parent はバージョン 0.236 から 0.237 に更新されました。
perl5db.pl はバージョン 1.54 から 1.55 に更新されました。
デバッグスレッドコードはもはや DB::sub
や DB::lsub
でデッドロックしなくなりました。
perlfaq はバージョン 5.021011 から 5.20190126 に更新されました。
PerlIO::encoding はバージョン 0.26 から 0.27 に更新されました。
$PerlIO::encoding::fallback
の WARN_ON_ERR
を設定することによって 有効になる警告は、警告が use warnings "utf8";
か $^W
の設定によって 有効の場合にのみ発生するようになりました。
PerlIO::scalar はバージョン 0.29 から 0.30 に更新されました。
podlators はバージョン 4.10 から 4.11 に更新されました。
POSIX はバージョン 1.84 から 1.88 に更新されました。
re はバージョン 0.36 から 0.37 に更新されました。
SDBM_File はバージョン 1.14 から 1.15 に更新されました。
sigtrap はバージョン 1.08 から 1.09 に更新されました。
Storable はバージョン 3.08 から 3.15 に更新されました。
Storable はもはやビルドジに再帰上限について調べなくなりました。 [perl #133708] など。
Metasploit 攻撃コードが CVE-2015-1992 検出のためのテストに含まれていて、 これが少なくとも一つの対ウィルスシステムで検出されていました。 攻撃コードは取り除かれ、単純な機能テストに置き換えられました。 [perl #133706]
Test::Simple はバージョン 1.302133 から 1.302162 に更新されました。
Thread::Queue はバージョン 3.12 から 3.13 に更新されました。
threads::shared はバージョン 1.58 から 1.60 に更新されました。
追加のロックトレース対応が追加されました; これには -DDEBUGGING
と追加のコンパイルフラグが必要です。
Time::HiRes はバージョン 1.9759 から 1.9760 に更新されました。
Time::Local はバージョン 1.25 から 1.28 に更新されました。
Time::Piece はバージョン 1.3204 から 1.33 に更新されました。
Unicode::Collate はバージョン 1.25 から 1.27 に更新されました。
Unicode::UCD はバージョン 0.70 から 0.72 に更新されました。
User::grent はバージョン 1.02 から 1.03 に更新されました。
utf8 はバージョン 1.21 から 1.22 に更新されました。
vars はバージョン 1.04 から 1.05 に更新されました。
vars.pm
はもはや、strict vars が有効かどうかを調べるときに 非 vars strict を無効にしなくなりました。 [perl #130674].
version はバージョン 0.9923 から 0.9924 に更新されました。
warnings はバージョン 1.42 から 1.44 に更新されました。
XS::APItest はバージョン 0.98 から 1.00 に更新されました。
XS::Typemap はバージョン 0.16 から 0.17 に更新されました。
以下のモジュールは将来のリリースでコア配布から削除され、その時点で CPAN からインストールされる必要があるようになります。 これらのモジュールを必要とする CPAN 配布はこれらを依存関係に入れる 必要があります。
これらのモジュールのコア版は、この事実を知らせるために、 "deprecated"
カテゴリの警告を発生させます。 この廃止予定警告を止めるには、対象のモジュールを CPAN からインストールしてください。
これらは(まれな例外を除いて)使い続けることを勧められる、 良いモジュールであることに注意してください。 コアからの除去は基本的に、完全な機能を持ち、CPAN が利用可能な Perl の インストールに対する必要性を基準としていて、通常はその設計は考慮していません。
B::Debug はもはやコア配布とともに配布されなくなりました。 これは引き続き B::Debug
として CPAN から利用可能です。
Locale::Codes は作者の要求により削除されました。 これは引き続き Locale::Codes
として CPAN から利用可能です [perl #133458].
私たちはこの文書で挙げられた変更を反映するように文書を更新しようとしています。 もし抜けている物を発見したら、 perlbug@perl.org にメールしてください。
AvFILL()
は間違って廃止予定とされていました。 これは修正されました。 [perl #133278]
もはや空(空行)ヒヤドキュメント終端子はないので、 perlop はそれを参照するべきではありません。
区切り文字がアポストロフィのときの tr
の振る舞いが明確化されました。 特に、ハイフンは特別ではなく、\x{}
は展開されません。 [perl #130679]
lastparen, lastcloseparen に関する文書を改善しました。
"-X" in perlfunc のエントリは、シンボリックリンクがほとんどのテストに 従うことを示すように明確化されました。
reset EXPR
の振る舞いの明確化。
ref(qr/xx/)
は REGEXP
ではなく Regexp
を返すことと その理由の明確化。 [perl #133751].
/(?(cond)yes)/ の文法の明確化。
UTF-8 ロケールには実際には二つの少し違う種類があります: 一つは トルコ語用でもう一つはそれ以外全て用です。 Perl v5.30 から、Perl は両方の種類をシームレスに扱います。
::xdigit:: 文字クラスに関する注意の追加。
段落モードに関するより具体的な文書。 [perl #133722].
次のような追加と変更が、警告や致命的エラーメッセージを含む診断出力に 行われました。 診断メッセージの完全な一覧については、perldiag を参照してください。
前述の "Incompatible Changes" で記したように、 廃止予定警告 "Unescaped left brace in regex is deprecated here (and will be fatal in Perl 5.30), passed through in regex; marked by <-- HERE in m/%s/" は 非廃止予定警告 "Unescaped left brace in regex is passed through in regex; marked by <-- HERE in m/%s/" に変更されました。
中かっこの中に何も指定しない \o{}
は致命的エラーメッセージ "Empty \o{}" を出力するようになりました。 以前は "Number with no digits" でした。 これは、\p{}
のような同様の構文での同じ種類のエラーと同じ言葉遣いです。
実験的機能 use re 'strict'
のスコープ内で、 中かっこの中に何も指定しない \x{}
は致命的エラーメッセージ "Empty \x{}" を出力するようになりました。 以前は "Number with no digits" でした。 これは、\p{}
のような同様の構文での同じ種類のエラーと同じ言葉遣いです。 re 'strict'
の外側で \x
を使うことは正当ですが、賢明ではありません; これは暗黙に NUL 文字を生成します。
Type of arg %d to %s must be %s (not %s)
ハッシュやグロブに対する push, pop などは、もはやスカラでは 動作しないというものではなく、このメッセージが出力されるようになりました。 [perl #130367].
このエラーでファイルと行番号が報告されるようになりました。 [perl #133524]
-Dr
(あるいは use re 'Debug'
) の基では、 コンパイルされた正規表現エンジンプログラムが表示されます。 以前は 無限 のために二つの異なる綴り INFINITY
, INFTY
が使われていました。 これは後者のみが使われるようになりました; これが最も長い間 使われているからです。
(PROTOTYPES: ENABLE
によって) 生成されたプロトタイプには OUTLIST
引数が含まれていましたが、 これらは perl 関数への引数ではありません。 これは調整されました。 [perl #133654].
通常はスレッドセーフロケール関数はスレッドビルドでしか使われません。 Configure に -Accflags='-DUSE_THREAD_SAFE_LOCALE'
オプションを 加えることで、これらを利用可能なシステムで非スレッドビルドでも これらを使うように強制できるようになりました。
memrchr, strlcat, strlcpy の検出の改善。
Configure での memmem() の検出の改善。 [perl #133760].
-DPERL_GLOBAL_STRUCT ビルドオプションに関する複数の改善と修正。
-DPERL_GLOBAL_STRUCT_PRIVATE ビルドオプションの修正。
t/lib/croak/op [perl #130367].
ハッシュ/グロブでの push
のエラーを分離しました。
t/op/svleak.t [perl #133660].
オーバーロードでの goto &sub
のリークのテストを追加しました。
t/re/fold_grind.t を複数のテストファイルに分割しました。
並列テストの境界面での競合条件によりテストが断続的に停止する問題が 修正されました。 [perl #133740].
新しいテストファイル t/io/paragraph_mode.t を使った 段落モードの完全なテスト。 [perl #133722].
t/io/eintr.t での一部のテストは 16 より前の Darwin で プロセスのハングを引き起こしていました。 これらのバージョンの Darwin ではこれらのテストはスキップされます。
HP C-ANSI-C でビルドしたときの pack()
での不明確なエラーは、 pp_pack.c の最適化を無効にすることで修正されました。
Perl の Mac OS X での -Duseshrplib
ビルドのビルドとテストの処理は Mac OS X システム整合性保護 (SIP) と互換性を持つようになりました。
SIP は /bin (およびその他のいくつかの場所) にあるバイナリに DYLD_LIBRARY_PATH
環境変数を渡すのを妨げます。 私たちの用途では、これは DYLD_LIBRARY_PATH
がシェルに渡されるのを妨げ、 この変数がテストやビルドの処理に渡されるのを妨げるので、 perl
を実行しても libperl.dylib を見つけられません。
これを回避するために、perl 実行ファイルの初期ビルドは ビルドディレクトリに libperl.dylib があることを想定し、 それからライブラリパスがインストール中にインストールされたライブラリを 示すように調整されます。
Minix3 へのいくらかの対応が再び追加されました。
Cygwin は cuserid
を見えるようにしません。
C99 算術関数が利用可能になりました。
(nmake 用の)win32/Makefile と (dmake 用の) win32/makefile.mk で 長い間利用可能になっている USE_CPLUSPLUS
ビルドオプションが (gmake 用の) win32/GNUmakefile でも利用可能になりました。
nmake makefile はもはや (現在広く使われているとは思えない とても古いバージョンである) Visual C++ 6.0 をデフォルトにしなくなりました。 結果として、代わりにデフォルトにするモダンなバージョンとしての 明らかな選択肢がないので、CCTYPE
を指定することが必要になりました。 CCTYPE
の指定に失敗するとエラーが出力され、ビルドは停止します。
(dmake と gmake の makefile はどのコンパイラが使われているのかを 自動的に検出するので、CCTYPE
を設定する必要はありません。 この機能は nmake の makefile にはまだ実装されていません。)
USE_IMP_SYS
ビルドの警告を有効にした sleep()
で、 もはやスリープタイムアウトが大きすぎる警告を出さなくなりました。 [perl #133376].
(Visual C++ 14.2 を含む) Microsoft Visual Studio 2019 を使った Windows 版 perl のコンパイル対応を追加しました。
socket() は、プロトコル・アドレスファミリー・ソケットタイプの 組が見つからない場合、$!
を設定するようになりました。 [perl #133853].
初期の x64 コンパイラおよびツールを使った Windows Server 2003 SP1 プラットフォーム SDK ビルドは Perl 5.27.9 から 誤って壊れていました。 これは修正されました。
サイズ計測パスは正規表現コンパイラから削除されました。 一部の場合では代わりにかっこによる捕捉グループの数を数えるために 追加のパスが必要になることがあります。
新しい関数 "my_strtod
" in perlapi あるいはその同義語である Strtod() が libc の strtod() と同じシグネチャで利用可能になりました。 これは strotod() と等価な振る舞いを全てのプラットフォームで提供し、 プラットフォームの能力と Configure オプションに依存して最良の 制度を使い、一方小数点がドットかコンマであるべきというような ロケール関係の問題も処理します。
ソースからマジックを取得することなく SV をコピーするための newSVsv_nomg()
が追加されました。 [perl #132964].
PTRDIFF_T_MAX
バイト以上 malloc することが禁止されました。 (C 最適化器を含む)多くのコードが、全てのデータ構造がこれよりも 大きくないことを仮定しているので、これはそのような試みを オーバーフローが起きる前に捕まえます。
二つの新しい regnode EXACT_ONLY8
および EXACTFU_ONLY8
が導入されました。 これらは、表現/マッチングするために UTF-8 が必要な符号位置を 含んでいることを除けば EXACT
および EXACTFU
と等価です。 従って、ターゲット文字列が UTF-8 でない場合、試す前にマッチングすることが ないことが分かります。
print_bytes_for_locale()
は、DEBUGGING
で 定義されるようになりました。 以前は、LC_COLLATE
がプラットフォームで定義されていない限り 定義されていませんでした。
-DPERL_MEM_LOG
と -DNO_LOCALE
の基でのコンパイルは修正されました。
Perl 5.28 では、index()
で -1 と比較する (あるいは間接的に 例えば >= 0) 場合の最適化が導入されました。 この最適化が when
節の内側で引き起こされた場合、警告 ("Argument %s isn't numeric in smart match") が発生していました。 これは修正されました。 [perl #133368]
その場修正コードはもはやディレクトリハンドルをリークしなくなりました。 [perl #133314]
オーバーロードされた値に対する定数畳み込み操作から生成される警告は、 もはや偽の "Use of uninitialized value" 警告を出さなくなりました。 [perl #132683].
"mutator not seen in (lex = ...) .= ..." を修正しました。 [perl #133441].
pack "u", "invalid uuencoding"
は適切に NUL 終端された長さ 0 の SV を 生成するようになりました。 [perl #132655]
-Dm
での calloc() 呼び出しのデバッグ出力が改良されました。 [perl #133439].
正規表現用字並びが一部の場合で ASCII 数字を許すのに失敗していました。 [perl #133547].
$^X
を決定するためのプラットフォーム固有の テクニックに対応している Unix 風のシステムでは、 プラットフォーム固有のテクニックに失敗したとき (例えば、 Linux システムで /proc がマウントされていないとき)、 Perl は一般的なテクニックにフォールバックするのに失敗していました。 これは Perl 5.28.0 での退行でした。 [perl #133573].
SDBM_File は壊れたデータベースファイルに対してより頑強になりました。 この改善は、SDBM ファイルを交換フォーマットとして 適しているものにするわけではありません。 [perl #132147].
binmode($fh);
や binmode($fh, ':raw');
は、 Win32 でのデフォルトの :crlf
I/O 層から適切に :utf8
フラグを 除去するようになりました。 [perl #133604].
実験的なリファレンス別名機能は、配列とハッシュのスライス代入を ローカル化と誤って解釈していました; 例えば:
\(@a[3,5,7]) = \(....);
これは以下のように解釈していました:
local \(@a[3,5,7]) = \(....);
EXPR
が昇格した UTF-8 のときの eval EXPR
の中の sort SUBNAME
は、 SUBNAME
が非 ASCII のときに panic することがありました。 [perl #134061].
realloc() が成功時に errno
を変更してもそれが perl ユーザーから 見えないようにするために、正しく扱えるようになりました; realloc() はインタプリタによって暗黙に呼び出されるからです。 この変更は C 標準によって許されていますが、FreeBSD 13.0-CURRENT でのみ 観測されています。 [perl #133958].
Perl は、可能なら POSIX getcwd
を Internals::getcwd()
として 露出するようになりました。 これはブートストラップ中に Cwd.pm
が使うことを意図していて、 警告なしに削除されたり変更されたりするかもしれません。 これにより、上位ディレクトリの一部が読み込めないディレクトリで perl をビルドするときのブートストラップの問題がいくつか修正されます。 [perl #133951].
pack()
はもはや不正な UTF-8 を返さなくなりました。 UTF-8 文字列を返すべきところに不正な UTF-8 が含まれている場合、croak します。 これはセキュリティ上の脅威の可能性から保護します。 [perl #131642].
"Any set of digits in the Common script are legal in a script run of another script" を参照して下さい。
正規表現マッチングは $^R
を更新するときに古い UTF-8 length magic を そのままにしなくなりました。 以前はこれにより length($^R)
が間違った値を返すことがありました。
ops での再帰を減らしました [perl #108276]。
これにより、とても深い op 木の処理時にスタックオーバーフローを防ぎます。
オーバーロードでの multiconcat のリークをしなくなりました。 [perl #133789]
ユーザー定義 \p{}
( "User-Defined Character Properties" in perlunicode 参照) の処理は (Perl ではなく) C で書き直されました。 これにより高速化されましたが、その過程でいくつかの非一貫性と バグ修正が行われました。
いくつかのエラーメッセージの表現が少し変わりました。 これは基本的には、 エラーが起きた入力の位置をマークする新しい方法が正規表現 エラー処理機構に統合されたからです。 これは以前は不可能でした。 また、エラーがネストした呼び出しの深いところで起きた場合には、 メッセージに追加のバックトレース風の情報が含まれるようになりました。
ユーザー定義特性は、ある種の非常に制限された命名規則の perl サブルーチンとして実装されています。 パッケージが未指定の場合、サブルーチンはカレントパッケージにあると 以前は文書かsれていました。 これは一部の場合では正しくなくなっていましたが、 正しくなりました。
全ての再帰呼び出しは無限再帰として扱われるようになりました。 以前はこれらはインタプリタを panic させることがありました。 今では、これらは正規表現パターンのコンパイルに失敗します。
同様に、その他の panic を引き起こすようなエラーは、単に パターンのコンパイルに失敗するようになりました。
古い機構は、特性を定義するときの不正な範囲を検出していませんでした。 範囲の最大値は範囲の最小値より小さくてはいけないようになりました。 さもなければ、パターンはコンパイルに失敗します。
意図としては、特性の定義をイミュータブルにするために、 それぞれのサブルーチンはプログラムの生存期間中に一度しか呼び出されません。 これは、1 回目は全ての /i 系のため、そして 2 回目は非 /i 系というように 緩和されました(サブルーチンはどちらなのかを示す引数を受け取ります)。 しかし、実際にはこれは壊れていて、複数回の呼び出しが可能でした。 これらは修正されました。 (/i, 非/i の場合を置いておくと) あるサブルーチンが複数回呼び出される唯一の 方法は、一部の要素がまだ定義されていないときだけになりました。 例えば、コンパイル時に定義が分かっているサブルーチン IsA() があり、 それが定義がまだ分かっていない isB() を呼び出すとします。 isA() は、表れたパターンがコンパイルされるたびに呼び出されます。 もし isA() が isC() も呼び出していてその定義が分かっているなら、 isC() は一度だけ呼び出されます。
あるスレッドが他のスレッドと同時に同じ特性をコンパイルするときに 競合したりとても長い間ハングしたりしていました。 これは修正されました。
適切にマッチングするのに失敗するのが修正されました。
EXACTF 風の regnode はマッチングした文字列を保持しておくための 有限の長さを持ちます。 この長さを超えると、2 番目のノードが文字列の次の部分のために使われ、 必要な分だけの regnode が使われます。 文字列を分割するときには、Unicode の複数文字畳み込みを扱うために 注意が必要です。 複数文字畳み込みの途中になり得る場所で文字列を分割したい場合、 より短い EXACTF 風 regnode のままにします。 この後退機構に off-by-one エラーがありました。 [perl #133756].
以前のファイルハンドルのない、裸の eof
呼び出しは真を 返すようになりました。 [perl #133721]
フォーマットのコンパイルに失敗するとコンパイルを中断するようになりました。 その他の部分パース中のエラーと同様、これはパーサをおかしな状態のままに することがあり、コンパイルを続行すると perl がクラッシュすることがありました。 [perl #132158]
大域破壊中にまだその場編集が作業中で、($?
に保管されている) プロセス終了コードがゼロの場合、 perl はその場編集が成功したものとして扱い、 入力ファイルを出力されたファイルで置き換えるようになりました。
これにより次のようなコードは:
perl -i -ne 'print "Foo"; last'
入力ファイルを置き換える一方、次のようなコードは:
perl -i -ne 'print "Foo"; die'
置き換えません。 [perl #133659] で部分的に解決しました。
5.28 での退行により、次のコードは失敗していました:
close(STDIN); open(CHILD, "|wc -l")'
なぜなら子の標準入力は実行時に閉じられているからです。 これは修正されました。
コンパイル時コードブロックと実行時コードブロックの両方を含む正規表現を コンパイルするときに、不正な文法を持つものを コンパイルしようとすることがある問題を修正しました。
-DNO_LOCALE_NUMERIC
と -DNO_LOCALE_COLLATE
での ビルド失敗が修正されました。 [perl #133696].
ext/B/t/strict.t のテストが飛ばされないようになりました。 [perl #133713].
s で始まるか終わる /di
ノードは EXACTF
になりました。 私たちは最適化中に二つの EXACTFU
を結合したり、 ss
, sS
, Ss
, SS
のような並びを作ったり したくありません; これらは /ui
や /di
の基で異なってマッチングするかもしれない 複数文字並びのみです。
Perl 5.30.0 は、Perl 5.28.0 以降、58 人の作者によって、 1,300 のファイルに約 620,000 行の変更を加えて、 約 11 ヶ月開発されてきました。
自動生成ファイル、文書、リリースツールを除くと、750 の .pm, .t, .c, .h ファイルに約 510,000 行の変更を加えました。
Perl は、活気のあるユーザーと開発者のコミュニティのおかげで 30 年を超えて 繁栄しています。 以下の人々が、Perl 5.30.0 になるための改良に貢献したことが分かっています:
Aaron Crane, Abigail, Alberto Simões, Alexandr Savca, Andreas König, Andy Dougherty, Aristotle Pagaltzis, Brian Greenfield, Chad Granum, Chris 'BinGOs' Williams, Craig A. Berry, Dagfinn Ilmari Mannsåker, Dan Book, Dan Dedrick, Daniel Dragan, Dan Kogai, David Cantrell, David Mitchell, Dominic Hargreaves, E. Choroba, Ed J, Eugen Konkov, François Perrad, Graham Knop, Hauke D, H.Merijn Brand, Hugo van der Sanden, Jakub Wilk, James Clarke, James E Keenan, Jerry D. Hedden, Jim Cromie, John SJ Anderson, Karen Etheridge, Karl Williamson, Leon Timmermans, Matthias Bethke, Nicholas Clark, Nicolas R., Niko Tyni, Pali, Petr Písař, Phil Pearl (Lobbes), Richard Leach, Ryan Voots, Sawyer X, Shlomi Fish, Sisyphus, Slaven Rezic, Steve Hay, Sullivan Beck, Tina Müller, Tomasz Konojacki, Tom Wyant, Tony Cook, Unicode Consortium, Yves Orton, Zak B. Elep.
これはバージョンコントロール履歴から自動的に生成しているので、ほぼ確実に 不完全です。 特に、Perl バグトラッカーに問題を報告をしてくれた (とてもありがたい)貢献者の 名前を含んでいません。 このリリースで注目するべき点は、多くのバグ修正は、 AFL による ファジングによって発見された Sergey Aleynikov による高品質の perlbug 報告によって行われたということです。
このバージョンに含まれている変更の多くは、Perl コアに含まれている CPAN モジュール由来のものです。 私たちは Perl の発展を助けている CPAN コミュニティ全体に感謝します。
全ての Perl の歴史的な貢献者のより完全な一覧については、どうか Perl ソース 配布に含まれている AUTHORS を参照してください。
もしバグと思われるものを見つけたら、 https://rt.perl.org/ にある perl バグ データベースを確認してください。 Perl ホームページ、http://www.perl.org/ にも情報があります。
もしまだ報告されていないバグだと確信したら、そのリリースに含まれている perlbug プログラムを実行してください。 バグの再現スクリプトを十分小さく、しかし有効なコードに切りつめることを 意識してください。 バグレポートは perl -V
の出力と一緒に perlbug@perl.org に送られ Perl porting チームによって解析されます。
報告しようとしているバグがセキュリティに関するもので、公開されている メーリングリストに送るのが不適切なものなら、バグの報告方法の詳細について "SECURITY VULNERABILITY CONTACT INFORMATION" in perlsec を参照してください。
もし Perl 5 でなされた作業について Perl 5 Porters に感謝したいと考えたなら、 perlthanks
プログラムを実行することでそうできます:
perlthanks
これは Perl 5 Porters メーリングリストにあなたの感謝の言葉をメールします。
変更点の完全な詳細を見る方法については Changes ファイル。
Perl のビルド方法については INSTALL ファイル。
一般的なことについては README ファイル。
著作権情報については Artistic 及び Copying ファイル。