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perlrecharclass - Perl 正規表現文字クラス


DESCRIPTION

Perl 正規表現に関する最上位文書は perlre です。

このマニュアルページは Perl 正規表現の文字クラスの文法と使用法について 議論します。

文字クラスは、集合の中の一文字がマッチングするというような方法で、 文字の集合を指定するための方法です。 文字集合はソース文字列の中から正確に一文字だけを消費するということを 覚えておくことは重要です。 (ソース文字列とは正規表現がマッチングしようとしている文字列です。)

Perl 正規表現には 3 種類の文字クラスがあります: ドット、 逆スラッシュシーケンス、かっこ付き形式です。

ドット

ドット (またはピリオド) . はおそらくもっともよく使われ、そして確実に もっともよく知られている文字クラスです。 デフォルトでは、ドットは改行を除く任意の文字にマッチングします。 デフォルトは 単一行 修飾子を使うことで改行にもマッチングするように 変更されます: 正規表現全体に対して /s 修飾子を使うか、ローカルには (?s) を使います。

以下は例です:

 "a"  =~  /./       # マッチングする
 "."  =~  /./       # マッチングする
 ""   =~  /./       # マッチングしない (ドットは文字にマッチングする必要がある)
 "\n" =~  /./       # マッチングしない (ドットは改行にはマッチングしない)
 "\n" =~  /./s      # マッチングする (グローバル「単一行」修飾子)
 "\n" =~  /(?s:.)/  # マッチングする (ローカル「単一行」修飾子)
 "ab" =~  /^.$/     # マッチングしない (ドットは一文字にマッチングする)

逆スラッシュシーケンス

Perl 正規表現には、文字クラスを構成する多くの逆スラッシュシーケンスを 持ちます。 これは(シーケンスで定義される)ある特定の文字集合に属する一つの文字に マッチングします。 逆スラッシュシーケンスは、逆スラッシュで始まる並びです。 全ての逆スラッシュシーケンスが文字クラスというわけではありません; 完全な リストは、perlrebackslash を参照してください。

以下は逆スラッシュシーケンスの一覧です; 以下でさらに詳細に議論します。

 \d             数字にマッチング。
 \D             非数字にマッチング。
 \w             「単語」文字にマッチング。
 \W             非「単語」文字にマッチング。
 \s             空白文字にマッチング。
 \S             非空白文字にマッチング。
 \h             水平空白文字にマッチング。
 \H             水平空白でない文字にマッチング。
 \v             垂直空白文字にマッチング。
 \V             垂直空白でない文字にマッチング。
 \pP, \p{Prop}  Unicode 特性にマッチする文字にマッチング。
 \PP, \P{Prop}  Unicode 特性にマッチしない文字にマッチング。

数字

\d数字 と考えられる単一の文字にマッチングします。 何が数字と考えられるかはソース文字列の内部エンコーディングに依存します。 ソース文字列が UTF-8 形式なら、\d は数字 '0' - '9' だけでなく、Arabic, Devanagari およびその他の言語の数字もマッチングします。 さもなければ、ロケールが有効なら、ロケールが数字と考える文字に マッチングします。 ロケールがなければ、\d は '0' から '9' の数字にマッチングします。 ロケール、Unicode、UTF-8 を参照してください。

\d にマッチングしない任意の文字は \D にマッチングします。

単語文字

\w は単一の 単語 文字にマッチングします: これは英数字(つまり英字または 数字)および下線 (_) です。 何が単語文字と考えられるかは文字列の内部エンコーディングに依存します。 UTF-8 形式の場合、\w は Unicode データベースで単語文字と考えられるものに マッチングします。 これは、ASCII の文字だけではなく、タイの文字、ギリシャの文字、などにも マッチングするということです。 ソース文字列が UTF-8 形式でない場合、\w は現在のロケールで単語文字と 考えられるものにマッチングします。 ロケールが有効でない場合、\w は ASCII 文字、数字、下線に マッチングします。

\w にマッチングしない任意の文字は \W にマッチングします。

空白

\s は空白と考えられる単一の文字にマッチングします。 ASCII の範囲では、\s は水平タブ(\t)、改行(\n)、ページ送り(\f)、 復帰(\r)、スペースにマッチングします (垂直タブ \cK\s に マッチングしません)。 \s がマッチングする文字の正確な集合はソース文字列が UTF-8 形式かどうかに 依存します。 もしそうなら、\s は Unicode データベースで空白と考えられるものに マッチングします。 さもなければ、ロケールが有効なら、\s は現在のロケールで空白と 考えられるものにマッチングします。 ロケールなしでは、\s はこの段落の始めに言及した五つの文字に マッチングします。 おそらくもっとも顕著な違いは、non-breaking space は UTF-8 エンコードされた 文字列にある場合にのみ、\s にマッチングするということです。

\s にマッチングしない任意の文字は \S にマッチングします。

\h は水平空白と考えられる任意の文字にマッチングします; これはスペースと タブ文字です。 \H は水平空白と考えられない文字にマッチングします。

\v は垂直空白と考えられる任意の文字にマッチングします; これは復帰と 行送り(改行)文字です。 \V は垂直空白と考えられない任意の文字にマッチングします。

\R は Unicode の規則で改行と考えられるものにマッチングします。 複数文字の並びにマッチングすることもあるので、これは 文字クラスではありません。 従って、大かっこ文字クラスの中では使えません。 詳細は perlrebackslash で議論しています。

\h, \H, \v, \V, \R は perl 5.10.0 の新機能です。

\s, \d, \w と違って、\h および \v はソース文字列が UTF-8 形式かどうかに関わらず同じ文字にマッチングします。 マッチングする文字の集合はロケールの影響も受けません。

\s[\h\v] と等価と考える人がいるかもしれません。 これは正しくありません。 垂直タブ ("\x0b") は \s にマッチングしませんが、垂直空白と 考えられます。 さらに、ソース文字列が UTF-8 形式でなければ、next line ("\x85") と no-break space ("\xA0") は \s にマッチングしませんが、 それぞれ \v および \h にはマッチングします。 ソース文字列が UTF-8 形式なら、next line と no-break space は \s に マッチングします。

以下の表は \s, \h, \v にマッチングする文字の完全な一覧です。

最初の列は文字の符号位置(16 進形式)、2 番目の列は (Unicode の)名前です。 3 番目の列はどのクラスにマッチングするかを示しています。

 0x00009        CHARACTER TABULATION   h s
 0x0000a              LINE FEED (LF)    vs
 0x0000b             LINE TABULATION    v
 0x0000c              FORM FEED (FF)    vs
 0x0000d        CARRIAGE RETURN (CR)    vs
 0x00020                       SPACE   h s
 0x00085             NEXT LINE (NEL)    vs  [1]
 0x000a0              NO-BREAK SPACE   h s  [1]
 0x01680            OGHAM SPACE MARK   h s
 0x0180e   MONGOLIAN VOWEL SEPARATOR   h s
 0x02000                     EN QUAD   h s
 0x02001                     EM QUAD   h s
 0x02002                    EN SPACE   h s
 0x02003                    EM SPACE   h s
 0x02004          THREE-PER-EM SPACE   h s
 0x02005           FOUR-PER-EM SPACE   h s
 0x02006            SIX-PER-EM SPACE   h s
 0x02007                FIGURE SPACE   h s
 0x02008           PUNCTUATION SPACE   h s
 0x02009                  THIN SPACE   h s
 0x0200a                  HAIR SPACE   h s
 0x02028              LINE SEPARATOR    vs
 0x02029         PARAGRAPH SEPARATOR    vs
 0x0202f       NARROW NO-BREAK SPACE   h s
 0x0205f   MEDIUM MATHEMATICAL SPACE   h s
 0x03000           IDEOGRAPHIC SPACE   h s
[1]

NEXT LINE と NO-BREAK SPACE はソース文字列が UTF-8 形式の時にのみ \s にマッチングします。

\d, \w などは単語や数値全体ではなく単一の文字にマッチングすると いうことは注意する価値があります。 (整数で構成される)数値にマッチングするには、\d+ を使ってください; 単語に マッチングするには、\w+ を使ってください。

Unicode 特性

\pP\p{Prop} は指定された Unicode クラスに一致する文字に マッチングする文字クラスです。 一文字クラスは \pP 形式で、\p に引き続いてクラス名です; さもなければ 特性名は中かっこで囲まれて、\p に引き続きます。 例えば、数字にマッチングするものは /\pN/ または /\p{Number}/ と 書けます。 小文字は LowercaseLetter 特性にマッチングします; これには Ll と言う短縮形式があります。 /\p{Ll}/ または /\p{LowercaseLetter}/ と書く必要があります。 /\pLl/ も妥当ですが、違う意味になります。 これは 2 文字にマッチングします: 英字 (Unicode 特性 \pL)に引き続いて 小文字の l です。

特性のリストについては、Unicode Character Properties in perlunicode を 参照してください。 独自の特性を定義することも可能です。 これは User-Defined Character Properties in perlunicode で議論されています。

 "a"  =~  /\w/      # マッチング; "a" は「単語」文字。
 "7"  =~  /\w/      # マッチング; "7" も「単語」文字。
 "a"  =~  /\d/      # マッチングしない; "a" は数字ではない。
 "7"  =~  /\d/      # マッチング; "7" は数字。
 " "  =~  /\s/      # マッチング; スペースは空白。
 "a"  =~  /\D/      # マッチング; "a" は非数字。
 "7"  =~  /\D/      # マッチングしない; "7" は非数字ではない。
 " "  =~  /\S/      # マッチングしない; スペースは非空白ではない。
 " "  =~  /\h/      # マッチング; スペースは水平空白。
 " "  =~  /\v/      # マッチングしない; スペースは垂直空白ではない。
 "\r" =~  /\v/      # マッチング; 復帰は垂直空白。
 "a"  =~  /\pL/     # マッチング; "a" は英字。
 "a"  =~  /\p{Lu}/  # マッチングしない; /\p{Lu}/ は大文字にマッチングする。
 "\x{0e0b}" =~ /\p{Thai}/  # マッチング; \x{0e0b} は文字
                           # 'THAI CHARACTER SO SO' で、これは
                           # Thai Unicode クラスにある。
 "a"  =~  /\P{Lao}/ # マッチング; "a" はラオス文字ではない。

かっこ付き文字クラス

Perl 正規表現で使える文字クラスの第 3 の形式は大かっこ形式です。 もっとも単純な形式では、以下のように大かっこの中にマッチングする文字を リストします: [aeiou]. これは a, e, i, o, u のどれかにマッチングします。 他の文字クラスと同様、正確に一つの文字にマッチングします。 文字クラスで言及した文字で構成されるより長い文字列にマッチングするには、 文字クラスに量指定子を付けます。 例えば、[aeiou]+ は一つまたはそれ以上の小文字 ASCII 母音に マッチングします。

文字クラスの中で文字を繰り返しても効果はありません; 一度だけ現れたものと 考えられます。

例:

 "e"  =~  /[aeiou]/        # マッチング; "e" はクラスにある。
 "p"  =~  /[aeiou]/        # マッチングしない; "p" はクラスにない。
 "ae" =~  /^[aeiou]$/      # マッチングしない; 一つの文字クラスは
                           # 一文字だけにマッチングする。
 "ae" =~  /^[aeiou]+$/     # マッチング; 量指定子により。

かっこ付き文字クラスの中の特殊文字

正規表現内でメタ文字(つまり、*( のように特別な意味を持つ文字)となる ほとんどの文字は文字クラス内ではエスケープしなくても特別な意味を失うので、 エスケープする必要はありません。 例えば、[()] は開きかっこまたは閉じかっこにマッチングし、文字クラスの中の かっこはグループや捕捉にはなりません。

文字クラスの中でも特別な意味を持つ文字は: \, ^, -, [, ] で、以下で議論します。 これらは逆スラッシュでエスケープできますが、不要な場合もあり、そのような 場合では逆スラッシュは省略できます。

シーケンス \b は大かっこ文字クラスの内側では特別です。 文字クラスの外側では \b 二つの単語文字か二つの非単語文字のどちらかではない 位置を示す表明ですが、大かっこ文字クラスの内側では \b は後退文字に マッチングします。

[ は、POSIX 文字クラス(後述)の開始でない限りは文字クラスの中では 特別ではありません。 これは普通エスケープは不要です。

A ] は POSIX 文字クラス(後述)の終わりか、大かっこ文字クラスの終了を 示すかどちらかです。 通常、文字集合に ] を含める場合はエスケープする必要があります。 しかし、] が大かっこ文字クラスの 最初 (または最初の文字がキャレットなら 2 番目) の文字の場合、(空クラスを作ることはできないので)これはクラスの 終了を意味せず、エスケープなしでマッチングできる文字の集合の一部と 考えられます。

例:

 "+"   =~ /[+?*]/     #  マッチング; 文字クラス内の "+" は特別ではない。
 "\cH" =~ /[\b]/      #  マッチング; 文字クラスの内側の \b は後退と
                      #  等価。
 "]"   =~ /[][]/      #  マッチング; 文字クラスに [ と ] の両方を
                      #  含んでいる。
 "[]"  =~ /[[]]/      #  マッチング; パターンは ] だけを含んでいる
                      #  文字クラスと、それに引き続く
                      #  ] からなる。

文字範囲

文字のある範囲にマッチングしたいというのは珍しくありません。 幸運なことに、その範囲の文字を全て一覧に書く代わりに、ハイフン (-) を 使えます。 大かっこ文字クラスの内側で二つの文字がハイフンで区切られていると、 二つの文字の間の全ての文字がクラスに書かれているかのように扱われます。 例えば、[0-9] は任意の ASCII 数字にマッチングし、[a-m] は ASCII アルファベットの前半分の小文字にマッチングします。

ハイフンのそれぞれの側の二つの文字は両方とも英字であったり両方とも 数字であったりする必要はありませんが、勧められないことに注意してください。 ['-?] は文字の範囲を含みますが、ほとんどの人はどの文字が含まれるか 分かりません。 さらに、このような範囲は、コードが EBCDIC のような異なった文字集合を使う プラットフォームで実行されると移植性の問題を引き起こします。

例えば文字クラスの最初または最後であったり、範囲の直後のために、文字クラスの 中のハイフンが範囲の一部となれない場合、ハイフンは特別ではなく、 マッチングするべき文字として扱われます。 マッチングする文字の集合にハイフンを入れたいけれどもその位置が範囲の 一部として考えられる場合はハイフンを逆スラッシュでエスケープする 必要があります。

例:

 [a-z]       #  小文字 ASCII 英字にマッチング。
 [a-fz]      #  'a' から 'f' の英字およびと 'z' の英字に
             #  マッチング。
 [-z]        #  ハイフン ('-') または英字 'z' にマッチング。
 [a-f-m]     #  'a' から 'f' の英字、ハイフン ('-')、英字 'm' に
             #  マッチング。
 ['-?]       #  文字 '()*+,-./0123456789:;<=>? のどれかにマッチング
             #  (しかし EBCDIC プラットフォームでは異なります)。

否定

代わりにマッチングしたくない文字の一覧を指定することも可能です。 文字クラスの先頭の文字としてキャレット (^) を使うことで実現します。 例えば、[^a-z] 小文字の ASCII 英字以外の文字にマッチングします。

この文法はキャレットを大かっこ文字クラスの内側で特別な文字にしますが、 クラスの最初の文字の場合のみです。 それでマッチングしたい文字の一つでキャレットを使いたい場合、キャレットを エスケープするか、最初以外の位置に書く必要があります。

例:

 "e"  =~  /[^aeiou]/   #  マッチングしない; 'e' がある。
 "x"  =~  /[^aeiou]/   #  マッチング; 'x' は小文字の母音ではない。
 "^"  =~  /[^^]/       #  マッチングしない; キャレット以外全てにマッチング。
 "^"  =~  /[x^]/       #  マッチング; キャレットはここでは特別ではない。

逆スラッシュシーケンス

大かっこ文字クラスの中に逆スラッシュシーケンス文字クラスを置くことができ、 逆スラッシュシーケンスにマッチングする全ての文字を文字クラスの中に 置いたかのように動作します。 例えば、[a-f\d] は任意の数字、あるいは 'a' から 'f' までの小文字に マッチングします。

例:

 /[\p{Thai}\d]/     # タイ文字または数字の文字に
                    # マッチングする。
 /[^\p{Arabic}()]/  # アラビア文字でもかっこでもない文字に
                    # マッチングする。

逆スラッシュシーケンス文字クラスは範囲の端点の一つにはできません。

Posix 文字クラス

Posix 文字クラスは [:class:] の形式で、class は名前、[::] は デリミタです。 Posix 文字クラスは大かっこ文字クラスの 内側 に現れ、文字のグループを 一覧するのに便利で記述的な方法です。 文法について注意してください、

 # Correct:
 $string =~ /[[:alpha:]]/
 # Incorrect (will warn):
 $string =~ /[:alpha:]/

後者のパターンは、コロンおよび a, l, p, h の文字からなる 文字クラスです。

Perl 以下の POSIX 文字クラスを認識します:

 alpha  任意の英字。
 alnum  任意の英数字。
 ascii  任意の ASCII 文字。
 blank  GNU 拡張; スペースまたは水平タブ ("\t") と同じ。
 cntrl  任意の制御文字。
 digit  任意の数字; "\d" と等価。
 graph  任意の表示文字; スペースを除く。
 lower  任意の小文字。
 print  任意の表示文字; スペースを含む。
 punct  任意の句読点文字。
 space  任意の空白文字。"\s" に加えて水平タブ ("\cK")。
 upper  任意の大文字。
 word   任意の「単語」文字; "\w" と等価。
 xdigit 任意の 16 進文字; '0' - '9', 'a' - 'f', 'A' - 'F'。

マッチングする文字の正確な集合はソース文字列が内部で UTF-8 形式かどうかに 依存します。 ロケール、Unicode、UTF-8 を参照してください。

ほとんどの POSIX 文字クラスは対応する \p を持っています。 違いは、文字列が UTF-8 形式かどうかに関わらず \p クラスは常に Unicode 特性に従ってマッチングするということです。

以下の表は POSIX 文字クラスと Unicode 特性との関係を示しています:

 [[:...:]]   \p{...}      backslash
 alpha       IsAlpha
 alnum       IsAlnum
 ascii       IsASCII
 blank
 cntrl       IsCntrl
 digit       IsDigit      \d
 graph       IsGraph
 lower       IsLower
 print       IsPrint
 punct       IsPunct
 space       IsSpace
             IsSpacePerl  \s
 upper       IsUpper
 word        IsWord
 xdigit      IsXDigit

一部の文字クラスは明らかでない名前を持ちます:

cntrl

任意の制御文字。 普通は、制御文字はそれ自体は出力されず、何か端末を制御します: 例えば 改行と後退は制御文字です。 (ASCII、ISO Latin 文字集合、Unicode) で ord() が 32 未満の全ての文字および ord() 値が 127 の文字 (DEL) は普通は制御文字に分類されます。

graph

graphical、つまり見える文字。 このクラスは全ての英数字と全ての句読点文字。

print

全ての表示可能な文字; 全ての graphical 文字と空白。

punct

任意の句読点(特殊)文字。

否定

POSIX 文字クラスに対する Perl の拡張は否定の機能です。 これはクラス名の前にキャレット (^) を置くことで実現します。 いくつかの例です:

 POSIX         Unicode       Backslash
 [[:^digit:]]  \P{IsDigit}   \D
 [[:^space:]]  \P{IsSpace}   \S
 [[:^word:]]   \P{IsWord}    \W

[= =] と [. .]

Perl は POSIX 文字クラス [=class=][.class.] を認識しますが、 これらの構文には(まだ?)対応していません。 このような構文の使用はエラーを引き起こします。

 /[[:digit:]]/            # 数字の文字にマッチングする。
 /[01[:lower:]]/          # 小文字、'0'、'1' のいずれかの文字に
                          # マッチングする。
 /[[:digit:][:^xdigit:]]/ # どんな文字にもマッチングしますが、大文字小文字の
                          # 'a' から 'f' を除きます。
                          # これは全ての数字と 16 進文字でない全ての文字を
                          # 含む文字クラスなので、このクラスには
                          # 'a' から 'f' および 'A' から 'F' を
                          # 除く全ての文字に
                          # マッチングすることになります。

ロケール、Unicode、UTF-8

ソース文字列の内部エンコーディングと有効なロケールに依存して少し異なった 振る舞いをする文字クラスもあります。

\w, \d, \s および POSIX 文字クラス (および \W, \D, \S を 含むこれらの否定) はこの振る舞いの影響を受けます。

ソース文字列が UTF-8 形式なら、文字クラスは Unicode 特性に従って マッチングするという規則です。 ソース文字列が UTF-8 形式ではなければ、文字クラスはロケールが 有効かどうかに従ってマッチングします。 ロケールがなければ、ASCII のデフォルト (\w では 52 の英字、10 の数字と 下線、\d では 0 から 9など) にマッチングします。

これは普通、ord() の値が 128 から 255 の範囲の文字にマッチングするなら、 その文字クラスは現在のロケールおよびソース文字列が UTF-8 形式かどうかに 依存してマッチングしたりしなかったりします。 ord() 値が 255 を超える文字が含まれているなら文字列は UTF-8 形式です。 しかしそのような文字がなくても UTF-8 形式かもしれません。

移植性の理由により、\w, \d, \s や POSIX 文字クラスは使わず、 Unicode 特性を使う方が良いです。

 $str =  "\xDF";      # $str は UTF-8 形式ではない。
 $str =~ /^\w/;       # マッチングしない; $str は UTF-8 形式ではない。
 $str .= "\x{0e0b}";  # ここで $str は UTF-8 形式。
 $str =~ /^\w/;       # マッチング! $str は UTF-8 形式。
 chop $str;
 $str =~ /^\w/;       # まだマッチング! $str は UTF-8 形式のまま。